年金大改正の内容と課題 (PHPほんとうの時代2月号より) (日経2/5〜9 より) 5年に1度の年金大改正の内容 年金を問う (課題) 年金制度は実は女性にやさしい 遺族年金はこのように変る 痛み隠し、本論先送り 専業主婦の離婚・年金分割 保険料負担の見直し 官の都合401k 第三号被保険者 保険料水準固定方式を採用 片働きの枠内に入ると有利 遺族厚生年金・遺族基礎年金 高齢者優遇が変る 給付カット・解散が続出 パートタイマーへの年金は縮小 裕福な65歳以上に負担を 国の負担は国民の負担 トップページ 特集記事のバックナンバー: 5年に1度の年金大改正の内容 今回の年金改正の最大の課題は、年金給付と保険料負担の見直しにある。 ■年金制度は実は女性にやさしい : 専業主婦離婚への見直し・・・・・・ 今回の年金改正により、婚姻期間中に会社員が負担した保険料は「夫婦が共同 して負担したものとみなす」という考え方が取り入れられた。 半額が各々に支払われる・・・・それぞれが65歳になった段階で、婚姻期間中に支払った保険料に応じて、分割 されて支給される。 しかしこれは法律改正の後支払った保険料が対象。 従来:夫(基礎年金+厚生年金) 妻・(基礎年金)→ 夫妻(基礎+厚生1/2) 離婚時の年金分割・・・・・・・・・法律改正後の婚姻期間のみを対象にしたのでは、離婚することになった専業 主婦の収入面の不安を解消できない。 この場合には、離婚時に夫婦の合意が ある場合、厚生年金の1/2を限度として分けられるようになる。 これは 合意の証明として公正証書などの提出があるmの、法律改正後の離婚 であるものが対象です。 第三号被保険者・・・・・・・・・・・・・・第二号被保険者(共済年金や厚生年金に加入しているもの)の被扶養配偶者。 第三号被保険者になるためには「国民年金の種別変更」の手続きが必要。 これまで市町村役場届けで2年の時効期間があったが、これに朗報。 昭和61年4月の制度創設当時まで第三号被保険者期間がさかのぼって認め られそうである。 内縁の妻も・外国人も・・・・・・・・婚姻の届けをしていない内縁の妻も被扶養配偶者として認められる。 また、日本に住んでいる20〜60歳未満の被扶養配偶者も第三号被保険者と して認められる。 遺族厚生年金・・・・・・・・・・・・・・・・配偶者の死亡による遺族厚生年金は夫には55歳以上年収850万円未満で あれば、妻には年齢用件はなく、支給される。 さらに夫が死亡したときに 35歳以上であった妻には、「中高齢寡婦加算」(40〜65歳の間、年597800円) が遺族厚生年金に加算される。 これは婦だけへの特権。 遺族基礎年金・・・・・・・・・・・・・・・・遺族基礎年金も、残された夫は何人子供を抱えていても貰えないが、子のある 妻または子が残されたとき支給される。 このほかにも、国民年金の第一号 被保険者であった夫が死亡した場合に支払われる「寡婦年金」もある。 パートタイマーへの年金は縮小・・・夫の扶養家族であってパートでパートで働いている主婦にとっては不利益な改正。 厚生年金保険支払の義務・・・・従来:他の社員の1ヵ月または1週の3/4以上働くとき加入の義務があった。 今回の改正案では:一週間当たり20時間以上働いている人へ義務となった。 リンク集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・女性の年金 年金関連のリンク集 雇用・失業・定年後と年金 ■遺族年金はこのように変る : 遺族厚生年金を受領できる人・・・・厚生年金の被保険者・老齢厚生年金受給権者・またはその期間を満たした人が 死亡したとき、その人によって生計が維持されていた配偶者・子などへ支給。 支給額・・・・・・・・・・・・・・・・・・・夫が受けていた、あるいは受取れるであろう老齢厚生年金の3/4になる。 中高齢寡婦加算額・・・・・・・・・・夫が死亡したとき、18歳以下の子がいる妻にはさらに遺族基礎年金が支給。 いない妻には中高齢寡婦加算(同上期間・同上の額)が支給される。 65歳からは自分の老齢基礎年金が受けられるようになる。 夫か妻かで扱いが変る・・・・・・・・・妻に先立たれた場合、妻に分割されていた年金が自分の元に戻り全額受給。 夫に先立たれた妻には、その3/4が支給されることになる。 夫分より少ないのは男女平等という社会で、男性同様にとの期待値なのかも。 ■保険料負担の見直し : 保険料水準固定方式を採用・・・・・現在の保険料は現役男性の給料の概ね6割もに設定されている。 このため 将来の現役世代の負担増を抑えることを目的に、最終的な保険料水準を固定 する方式を採用することになった。 これにより最終的な保険料の上限は、 厚生年金保険が年収の18〜20%、国民年金では1ヵ月15800〜17300円 の範囲内にされる予定。 来年度以降、徐々に上記に引き上げられる予定。 年金給付水準の引き下げ・・・・・・・上記のように、水準固定の方式により年金保険料を低く固定することになったので これまでの給付水準を維持することはできなくなった。 マクロ経済スライド・・・・・・・・・・・・・これまでの年金制度では現役賃金水準に直した賃金スライドで決定し、これを物価 スライドで翌年額を決定していた。 今回の年金改正では、支給金額の決定に 年金受給者人口のスライド計算を(マクロ経済スライド)を取り入れることにした。 従って年金の給付水準は、徐々に引き下げられていく結果となり、最終的には 現役給与(平均)の50%前半になる見込み。 ■高齢者優遇が変る : 60〜64歳在職老齢年金見直し・・・現在は、この年齢での在職者は一律2割カットされている。 さらに残りの年金額と 給与の合計が28万円以上のとき、超過分の1/2が支給停止される。 これではパート労働も2割カットとなり就労意欲が妨げられる。 一律2割のカットを廃止・・・・・・・このため2割カットを廃止され、28万円までは全額支給される。 70歳以降への在職老齢年金・・・・現在の制度では働いていても厚生年金保険に加入する必要はなく、年金も全額 受給できる。 ところが今回の改正からは、70歳以降も働いている人は 保険料を支払うことになる。 現在65歳〜69歳の人に適用されているのと おなじものとなる。(60〜64歳の28万円が48万円に置き換え計算するもの) 裕福な65歳以上の方に負担を・・・年金は「世代間扶養」が原則ですが、老齢基礎年金の1/3は国庫負担である。 これから益々少子化であるので、この負担割合を1/2へ引上げようとの意見が ある。 とはいっても、その財源を所得税の引上げや定率減税の廃止などと 言われているが、具体的なかたちとなってでているのが、裕福な65歳以上の 年金受給世代に所得税の負担を求めるという案である。 公的年金控除額の廃止・・・・・・従来高齢者への所得税課税には、「公的年金等控除額」が設けられており 65歳未満では最低70万円控除、65歳以上では140万円の控除が認め られている。 さらに年金以外に収入があるひとは、その所得から一律50万円 の控除がなされる。(収入の多い方は除く) とのことで所得税を納めている 65歳以上の高齢者は極めて少ない。 そこで65歳以上の |