血縁・地縁 そして 「電縁の社会」へ (前編) 
                
(日経1/1〜7)               
(日経 1/19)
   IT により生活・社会に変化 (前編)                 日本の電子政府は何故出遅れた?
     電縁の時代がやってき・・・・・・・・・人・家族・社会が変る         世界ランキング 18位
      市政も企業もネットでひとやく・・・ 高齢者に端末を(パリ)        3月には 97%電子申請というが
      宗教・国家の権威が揺らぐ・・・・・ 宗教界がインターネットで動揺    住基カードには読取り機が必要
      過疎地も障害者もネットで活性・・
デジタルデバイドは死語に      本人確認ほか凝り過ぎ
      電子商取引が拡大一途・・・・・・・・ネット市場での力関係

      本を買う動きが復活か・・・・・・・・・
女子高生に爆発的人気本
      企業の戦い方もITで変身・・・・・・・小企業が大きな開発

                                                特集記事のバックナンバー:

  IT により生活・社会に変化  

■血縁・地縁そして電縁の時代がやってきた :

   人・家族・社会が変る・・・・・・・・・人々はネットにより新しい繋がりを着々と築いている
                          ネットゲームの世界では、人口10万人の仮想空間都市が誕生
                         参加者同士が友達になったり、結婚したりで、人生を楽しむ。
   3つの玄関のある3LDK・・・・・・・東京汐留の高層賃貸住宅に、3つの玄関で、各個室にはシャワーが
                         あり、奥のドアを開けると、共用のキッチンもあるといった具合。 
                         父親の長時間労働、母親の社会進出で、核家族の繋がりも薄れ?
                         居間での団欒に縛り付けようとしない・携帯やネットに期待よせつつ。
   バーチャル霊園・・・・・・・・・・・・・・ネット墓には名前と生前の人柄などを掲載、参拝者は記帳もできる。
                         子供や孫が遠く離れて暮らす現代では、墓参りもままならない。
                         広島の真言宗寺院では、開設無料のこともあり、墓数数万になった。

   リンク集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・電縁都市: 藤沢 中国 韓国 

■市政も企業もネットでひとやく:
   無線端末を高齢者に(パリ)・・・・・パリ近郊のデジタル都市・イッシー・ムリノー市。 昨年猛暑で多数の
                         死亡者出たフランスで、ほとんど被害がこちらでは出なかった。 ボタン

                         一つで病院に身体の異変を知らせる小型無線端末を持たせ、救った。
   住民代表によるパネル(パリ)・・・住民代表750人が参加するネット上の「バーチャル市民パネル」発足。
                         生活に関する質問を市が投げかけ、住民の声を市政に反映。
   開発に現場管理に(日本企業)・・「デジタル時代は開発と生産を国内で一体にし、新製品を短期間で市場に
                         出すこと」(御手洗キャノン社長)。 狙いは対中国であるが、同時に
                         若い人材を開発に特化させ、少子化時代を生き抜く戦略にもなる。


■宗教・国家の権威が揺らぐ :
   宗教界がインターネットで揺れ・・・イスラム世界で、ネットを巡り聖識者が様々な宗教令を出している。
                         「ネットのチャットルームでも女性のベールについて」議論も起こった。
                        ローマ法王庁にもどこまで踏込むべきかとまどいがある。ネットの利用は
                         「良心の秘密まで及ぶべきではない」という見解だ。
   不都合情報は流さない
(中国)・・ 中国やイランなどは米国の国際放送VOAや英国のBBCといった、自国に
                         不都合な情報は流さない ・ 「政府間組織活動で規制を」と国連へ提唱。
                         中国のネット利用者は7800万人・米国に次いで第2位。 小泉首相の
                         靖国神社参拝も問題になった。 ネットパワーの影響も大きい。

   
発展途上国の飛び級可能・・・・・・IT競争力世界ランキングで日本は12位。 シンガポール2位・アイスランド
                         10位に追いつけない。 工業化社会では先進国と途上国の差は歴然で
                         あったが、頭脳が勝負の電縁社会では、途上国や小国飛び級が可能。
                         工業化社会の「大国」に権威が揺らいでいる。

■過疎地も障害者もネットで活性 :

   最北端の地で最先端の作業・・・・北海道西興部(おこっぺ)人口1230人は全国有数のIT村。 テレビ難視聴
                         のため、全戸光ファイバーで結んだ。 過剰な公共工事は避けITに集中し
                         健全財政。 コンピュータで畜産管理する農家があれば、独居老人には
                         テレビ電話で健康管理をしている。
   音声読上げのホームページ・・・・・官公庁のホームページに視覚障害者が使いやすくなる動きがある。 障害者
                         の在宅就労を支援するNPO:WeCan(練馬)は総務省からホームページ
                         構築を受託した。 またWeCanは、三鷹のシニアSOHOや埼玉県と組み、

                         さいたま市に在宅就労の研修施設を建設する。
   デジタルデバイドは死語に・・・・・・ デジタルデバイド(情報化による格差)の当事者とされた、過疎地・障害者の
                         人達もこのように変った。 日本のインターネット利用者は55%・高齢者では
                         33%・障害者も29%まできた。

■電子商取引が拡大一途 :
   全国百貨店の売上高を抜く・・・・・経済産業省の予測では、2002年2兆7千億円、来年は8兆6千億円に拡大で
                         全国百貨店の売上高(2002年・8兆3千億円)を抜く。
   強い購買者ほど安く買える・・・・・ 携帯電話でのネット通販・「ちびギャザ」では注文数が増えるほど価格が下がる。
                         例えば、香水4こまでなら4500円、9こまでで4200円、10こ以上で3900円。
                         企業の資材調達では、束ねることで同じみだが、個人のレベルでも始まった。
                         12000円の時計が、3000人集めれば4000円。 10000円のデジカメが200人
                         集まれば3000円と購買力も企業並。
   ネット市場での力関係・・・・・・・・・全国1100社の酒屋さんを結ぶ「クラスターネットワークシステム」では、他店の
                         仕入れ価格が分る。 これでビール価格が7%下がった。 
これもネット上で
                         消費者からの価格差クレームから始まった。 買手は売手にもなった。
                       三井物産のネットでは個人の代理店が一部法人も含め22000人。 代理店と
                         なった人が、ホームページを開設、詳細商品情報発信、半年で1億
4000万円
                         売上を為した人もいる。

■本を買う動きもネットから :

   女子高生に爆発的人気本・・・・・・「DeepLove」が「アユの物語」以来4作で140万部を売り上げた。 エイズ、援助
                         交際など女子高生が関心を持つテーマを取り上げ、携帯メールでの配信から
                         はじまった。 しかし携帯の小さな画面で読むのでは骨が折れる。 そこで
                         アクセス記録から、読者がつまずいたページを探し、漢字や表現をやあさしく
                         改めたところ、口コミで広がりベストセラーになった。 今春には映画化を狙う。
   
漫画から活字に戻ってきた・・・・・・ネットを巧みに使いこなす世代を「N(ネット)世代」と呼ぶ。 テレビや漫画は若者に
                         活字離れをもたらしたが、意外にも日本のN世代はパソコンや携帯のメールを
                         通して、「電子の活字」に戻ってきた。 中には日本語といえないような
表現や
                         従来の活字文化と趣の異なる文章もあるが、若者が日々扱う活字の量は増えた。

■企業の戦い方もITで変身 :
   国内線ネット購入が3〜4割・・・・・米国では、ネット購入が5割以上であり、日本も可能性がある。 JAL(日本航空
                         システム)のインターネット航空券販売額は1500億円/今年度で、「楽天市場」
                         の売上高にほぼ並ぶ。 
   
医薬開発が小企業でも・・・・・・・・・「巨額の開発費を確保するには規模の拡大こそが道」を合い言葉に、合弁買収を
                         繰返してきた医薬品業界で、その前提が覆った。 社員40人の文京区の研究所
                         板井昭子社長、がん抑制剤開発。 オックスフォード大学の10人の産学協同
                         チームで、3500万種類の化合物の中から天然痘への効果が期待される化合物
                         を選び出した。 従来なら膨大な人手と時間がかかるが、世界240万台の個人の
                         パソコンをネットで結び、安価に実現した。

   米IBMが経営管理会社へ変身・・・米プロクターギャンブル社の人事部がIBMへ移籍し、企業の給与計算などの福利
                         厚生業務や人事管理などのサービスを請け負う。
                         ブランド品・家電品が伸びている



  日本の電子政府は何故出遅れた? 

■世界との比較 :
   国連による電子政府ランキング・・・(1)米国、(2)スウェーデン、(3)オーストラリア、(4)デンマーク、(5)英国
                         (6)加国、(7)ノルウェー、(8)スイス、(9)独国、(10)フィンランド、(11)蘭国、
                         (12)シンガポール、(13)韓国、(14)ニュージーランド、(15)アイスランド
                         (16)エストニア、(17)アイスランド、(18)日本、(19)仏国、(20)伊国
   今後計画では追いつくとするが・・・総務省の釈明
                         今年3月には、13000種類の行政手続きのうち97%可能にするというが・・
                         1月19日〜;手数料などの国への納金をインターネットバンキングからできる。
                         2月〜;愛知県一部からになるが、パスポート申請をできるようになる。
                         戸籍謄抄本の郵送提出が必要で、結構面倒。 外務省が指導おれず必要に。
                         自動車購入時の新車登録は2005年迄掛かる。 100近い組織の合意難航。
                                           電子政府構築計画  
住基ネットに思う 
住基ネットは利用者よりもハード優先 :
   出遅れの理由・・・・・・・・・・・・・・・ 「日本は基盤づくりを優先」 総務省の弁解
                         住基カードの本人確認など
   住基カードによる本人確認・・・・・・米国などでは、IDとパスワードの確認だけで使えるが、日本の場合は厳密な本人確認を
                         求めた。 
住民基本台帳カードを役場で500円で作ってもらって使用するようにした。
   自宅パソコンでは読取り機必要・・カードの所有で確認精度を高めようとしたが、自宅のパソコンで行政手続きをするには
                         
自宅パソコンに1万円前後の読取り機を設置しなければならない。 将来2千円程度
                         に下がるというが、現状発行枚数は、3月時点で、80万枚に留まる見込み。