こども関連事件(低年齢化を考える)・こどものうつ病 
                   (臨床教育研究所 「虹」所長 尾木直樹著) 

     凶悪事件・低年齢化の背景    うつ病が子供にも広がる         お母さんお役立ちページリンク
          (日経:7/26より)          (朝日:7/25)           (ホームページ・リンク集)

     少年事件が多発した          うつ病が子供たちに目立ってきている    こども犯罪の関連
      一連の事件には共通点がある    これまでの調査の報告             子育ての関連
       解決策はあるか             専門家(精神科医ほか)のコメント      うつ病・こころケアーの関連


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  凶悪事件・低年齢化の背景を考える 
                             日経7/26: 尾木直樹著(ホームページ

■少年事件が多発した :


   少年がかかわる事件が多発した。 長崎の幼児殺害事件の容疑者が12歳。  その直前には 沖縄で中学生による
   リンチ殺人事件、友達の死体を遺棄。  東京渋谷で 小学6年生女児の監禁事件。  などが最近続いて起きた。
 

  なぜ・なぜ の疑問・・・・・・・・・・・ 「なぜ、成績の良いおとなしい子が」  
                       「なぜ、周囲の大人は予兆を 察しえなかったのか」
                       「どうして 小6の女児が」
                       「何故、手錠なのか」
                       「男の練炭自殺はどういう意味か」 などなど
■一連の事件には共通の糸がありそう (加害者、被害者を問わず):
   5つの特徴を指摘できる・・・・・・(1)凶悪な少年事件の地方化:
                          都市化の進展で 地方でも生活し臭い居住空間が奪われたことでないか。
                          地域共同体が 崩壊しているのである。
                      (2)よくできる子・おとなしい子による犯罪の広がり:
                          高学歴者が必ずしも幸せや出世を手にできなくなたこと・先行き不透明な
                          日本の未来が影を落している。 犯人はなんのメッセージも発しないので
                          その分、不気味さが加わり 心も行動も 完全に闇の中である。
                      (3)子供と大人のボーダーレス化が急激に進行した:
                          子供をターゲットにした消費主義的文化 ・ 女子高生対象のルーズソックス
                          小学生でもアルバイトという お金の甘いわなにかかるのも 不思議ではない。
                      (4)携帯電話の普及:
                          今や、中学生の4割・小学生の2割が所有している ・ 友達との瞬時メール交換
                          出会い系サイトなどが中心的役割を担っている。 発信側は 正邪、男女、年齢
                          とわず 国境を越え 自由自在にやってくる ・ なされる。
                      (5)
思春期の葛藤危険をくぐりにくくなっている:
                          男女とも 大人になりづらくなっているといってよい。 大人からの自立欲求・反抗期・
                          そして思春期 この間にはしっかりと依存できる友達や仲間が不可欠。 一時的に
                          友達に依存しつつ 大人からの自立を図ろうとする。 だがこの時期に はっきりとした
                          依存対象の
友人がいなければ 性衝動が先鋭化され、同性の幼児に向けられたと
                          しても少しも不思議ではない。
■解決策はあるか:
   背景が歴史的・社会的・・・・・・・であればあるほど 難しい。 高所から総合的に対策を打ち出さねばなるまい。
                        「市中を引き回しの上、親を打ち首にすれば」済むことではない。
   地域のきずなが大切・・・・・・・・ (1)子供を守り、子供の成長と発達に責任をもつこと/社会も大人も
                           「子供を守る ガードやルールを確立する」
                          ・・・例えば:
                             子供の処罰の強化より 子供を食い物にする 大人たちの方にこそ、
                              実名を公表して 厳しく取り締まり 犯罪を根絶すべきではないか
                             地域に無数の子育てネットワークを構築することが 焦眉の課題だ

                              その中でこそ 少年少女たちの 危険な予兆が発見できる
                              複眼の子育ての力である ・ 地域の子育てパワーアップを。
                      (2)
目の前の子供達の生活とこころ のありよう・姿を 現実にしっかりと つかむことだ 
                          ・・・例えば:
                             「パソコン」や「携帯」などでは 問題を起こさない使い方 リテラシー(操作方法)
                              を本格的に教え、育てる必要がある。
                            教師が子供達の日々の辛さや喜びと向き合い、学校生活の主役として
                              尊重すること。 地味なことだが 大切です。





  うつ病が子供たちにひろがる 

                         
■うつ病が子供たちに目立ってきている :

   文科省が実態調査開始・・・・・・・・・・5年連続で3万人を超える自殺の主因のひとつ「うつ病」が こどもに目立ってきている。
                            文部j科学省は9月に 5000人実態調査へ乗り出す。 どれだけの調査は国内初。
                            子供のうつ病は 摂食障害や不安障害など合併症の背後に 隠れていることも多く
                            実態がよくわかっていない。 抑うつ傾向の広がりを調べ 対策確立へつなげる。
                                調査にあたるのは 北海道大学 伝田助教授(児童精神医学)らのチーム
   子供のうつ病の特徴・・・・・・・・・・・・・大人のうつ病と違い、気分の落ち込み時として
                            イライラ感や攻撃的な行動として現れる。 
                            また、頭痛や腹痛などを訴えることも多い。
                         うつ病がこうしたことの陰になりがちの上、低年齢時は自分の症状を うまく伝えられない
                            こともあって、周囲には気づきにくい。

■これまでの調査の報告 :
   95年〜99年・410人の状況・・・・・うつ病や躁鬱などの症状を含む 気分障害と診断された子が 111人を占めた。
                            最年少は 8歳であった。
   実態症状 (詳細内訳)・・・・・・・・・ 摂食障害(41例:60%)
 ・ パニック障害・強迫性障害などの不安障害(24例)
                            などを合併していた。
                         不登校(14例) ・ うつ病原因で欠席(51例) ・ 自殺未遂の子供もいた。
■専門家のコメント :
   北海道大学・伝田助教授談・・・・・・・「子供本人も 親も 気づかずに悩んでいる ケースが多い」
                            軽症だからと放置すると 大人になって再発したり 重症化したりする。
   御茶ノ水大学・菅原助教授談・・・・・ 不安な社会情勢のもとで 親がストレスにさらされていると、子供が心理的ダメージを
                            受けたときに 支えることができない。 子供もストレスを強く感じるようになる。
                         
   少年犯罪などのニュースには子供も敏感で さらにストレスが増えているだろう。




  お母さんお役立ちページリンク    (それぞれ、ひとつの意見として・ご覧ください)
   
                         
■子供の犯罪の関連  :

   「犯罪」関連・・・・・・・・・・・・・・・・・・・子供の行動問題 ・ 尾木直樹のホームページ ・ ある中学校での教師の対応例
                            少年犯罪・こころの教育 ・ こどもに携帯を持たせるとき ・ 愛知県警察少年課
                            埼玉県警察と地域の協力活動
   「子育て」関連・・・・・・・・・・・・・・・・・「子育て応援団@千葉」 : 
                            ストレス解消法 ・ トイレ・食べること ・ しつけ・叱り方 ・ 孤独感解決策
                            笑顔でこどもと向き合うために ・ 育児ストレスの原因・背景
                            こどもの発達と親のかかわり
                         母親の就労は関係ない ・ 母働いても子すくすく ・ 昭和一桁オヤジの教育論 
                            こども教育関連のリンク集 ・ 日本の教育を考えるホームページ
                            

■うつ病・こころケアーの関連 :
   インターネット相談室・・・・・・・・・・・・子育てなやみインターネット相談室 ・ 大人のなやみインターネット相談
                            教育相談センター ・ にんげん広場(ひきこもりサポートキャンペーン)
                            つくばこども相談教育センター ・ ひきこもりカウンセリング
                            MT心理カウンセリングルーム
   各種出版本・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うつ病の治療・各種出版本 
                            
   医師の協会・研究会・・・・・・・・・・・・
日本小児科医会は、平成10年に「子どもの心相談医」制度
                            子供と家庭総合研究事業(研究者と国予算) ・