読書の秋  源氏物語に人気 ・携帯読書が急増中 
                             朝日新聞 9/22・29 10/4 より )


        源氏物語の魅力            携帯読書が急増中  

        「源氏物語」は大ブーム       2003年は「電子書籍元年」
        ここが面白い              出版社の
動き
        どんな訳が面白いか         電子読書のリンク集
        源氏物語のリンク集

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  源氏物語の魅力 
   (国際日本文化研究センター・山折哲雄所長 と 京都府立大学・中井和子名誉教授 の対談)


■「源氏物語」は大ブーム :
   
光源氏の女性への思いやり・・・・・今の女性には、愛や恋に渇くようなあこがれがないから、逆に読まれるのかも。
                            折口信夫によれば、光源氏の女性への粘り強いこだわりと思いやりが、
                            女たちの心をつかんだのだという。 単なる好色ではない。 (山折談)

   大事にしているところが分る・・・・・・光源氏はほめるだけでなく、そこにうつつをぬかす。それがよいのでは。(中井)
                            近代人は批判精神がでてきて、それができない。 もてるには、いいところを見付けて
                            ほめ、ほれなきゃいけませんね。 (山折)


■ここが面白い :
   不倫・男女関係が今日を写す・・・・・・・・つぎなるところが、「源氏」の本質の気がする。  (中井・山折)
                            光源氏が藤壷と不倫をして子を作り、桐壷帝と三角関係が生じる。 やがて光源氏は
                            女三の宮を妻にし、その女三の宮が柏木と不倫をする。 光源氏は一種の報いを受ける。
                            
光源氏の不倫の子が次の天皇となる。 光源氏は一生苦しむが、最後に柏木を
                            非難し、柏木は恐れ入って死んでしまう。 光源氏は大往生遂げたようであるが、
                            子供の薫は、好きな女が自分のものにならず迷い続けるところで物語は終わる。

   死を美しく・老いを醜く描いている・・・・・源氏の当時、法華経信仰が盛んになります。 法華経は女は男の体にならなければ浄土に
                            行けないと説きますが、法華経を書き写した平家納経には、女性の姿のまま極楽に
                            上昇する様が描かれている。 平安末期に浄土教の勢いが強くなってくると、いかに死ぬ
                            べきか、浄土に行くにはどうすればいいかが課題となる。 源氏はそうした中世を
                            予告しているところがある。 源氏の女たちの死は実に美しく描かれているが、ただ、女の
                            老いは醜く描かれている。
■どんな訳が面白いか :  
   京ことばでの朗読・・・・・・・・・・・・・・・・中井さん達の試みが、朝日新聞に1年間掲載されたが、いろいろな反響がありました。
                            無意識に源氏の現代語訳の問題に触れたと思う。 谷崎潤一郎訳や与謝野晶子訳では
                            味わえなかった源氏の世界をリアルに感じました。(山折)
                            源氏の文章には主語がなく、述語部分で事柄を浮かび上がらせる。しして、一文が長い。
                            現代語訳では主語を補って文章を短く切るのが通例で、円地文子訳は再構成した上で
                            訳しています。 (中井)
   源氏物語も「語り文学」の一つ・・・・・・町衆が形作った室町、その御所に近い上のことばです。 日本の古典の主要な流れに
                            「語りの文学」ある。 平家物語や能、謡曲、浄瑠璃、義太夫。 源氏もその流れの一つ。
                            後宮では、文芸は女房に語ってもらい、絵を見て享受していました。

■リンク集 :
   源氏物語のリンク集・・・・・・・・・・・・・・・・あらすじと登場人物・リンク集  源氏物語加工文化 源氏大学  





  携帯読書が急増中   


■2003年は 「電子書籍元年」 :
   人気のあるものは・・・・・・・・・・・・・・・・書き下ろしの連載小説。 毎日、1200字程度が配信される。 「新潮携帯文庫」
                            山本周五郎から赤川次郎まで。 常時、20作ほどが読める。
                            月100〜200円。
 当社の会員は、昨年2月開設、現在20000人を突破。
   中心は10代〜30代の女性・・・・・・・・本屋へ殆ど行かないという人達。 本は持ち歩かないが携帯は肌身離さない人達。
                            字の小ささ、度々のダウンロードは気にならないらしい。
   
                         本を読んで欲しいと思っても届かなかった層に、作家との出会いを提供。

■出版社の動き :
   まだまだ出版部数は僅か・・・・・・・・・・電子書籍の売上は10億円程度に過ぎない。
                            同社では、パソコン向けに売るのは原則絶版本に限っており、雑誌と同じ
                            連載媒体と位置づける。
   しかし、今後の展開は早かろう・・・・・・・読書専用端末や高精細な液晶の携帯電話も開発され、あとは面白いコンテンツが
                            あるとブレークスルーする。 また、出版社の製作過程は電子化されているから、
                            今後の展開は早いだろう。 (戸板短大横山教授談)


■携帯読書のリンク集 :

   電子出版社・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・無料で読める3000冊  電子出版リンク集