日中首脳会談・大中国への5ヵ年計画・中国の歴史などを 分かりやすく  
        
                 (日本経済新聞 10月2日・10月9日 ほか より)   新聞特集などを分かり易く整理

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5年ぶりの日中首脳会談 大中国への5ヵ年計画
中国の歴史 五千年 (3)
会談の骨子と詳解
 戦略的互恵関係・平和国家
 政経文化交流・歴史共同研究
 . 5カ年計画の要旨詳解
世界を揺らす工場大国
マナーの向上と観光業
 . 中国の時代年表 分かりよく
 先史の時代から現代まで
前漢・新・後漢時代の人物
    特集記事のバックナンバー:                         掲示板 (チョット関連の話題ありませんか) 
      中国の食(医食同源)    ・ 中国史五千年(1)
      中国の歴史(宝物事情) ・ 中国史五千年(2)」  

  日中首脳会談5年ぶり北京で実施   (日本経済新聞10月9日より)  
■日中首脳会談の骨子 :         
「戦略的互恵関係」を目指す・・・・・・ 長年日中のキーワードは「友好」関係であった・それを「戦略的」と打ち出したのは、単に二国間の枠で考えるのでなく、「世界における日中」の重みを踏まえて、あるべき姿を模索しようとの意思表明      
日本が平和国家で歩むことに評価・・ 靖国神社参拝については、中国側から直接的自粛要求はなく、「政治的障害なきよう」との婉曲的表現であった ・ 安倍首相の「適切に判断したい」との発言を、中国側は参拝しないと判断している ・ 過去の戦争に「深い反省」を安倍首相が述べる一方、中国側(胡錦濤主席・温家宝首相)は、安倍首相を追い詰めることなく「平和発展を期待」との表現であった  
東シナ海のガス田を共同で開発・・・・  (略)         
政治・経済・安保・文化で交流協力・・ 中国は日本との関係を「戦略的」と格上げしたのは、良好な経済関係を基盤にしての良好な関係維持には、国際問題で幅広い協調が必要と判断したと解釈したい ・ これまで「政経分離論」を強調していたが、戦略的互恵関係への格上げに伴い、軌道修正した格好である         
エネルギー・金融・技術で互恵協力 日本・中国・韓国による投資協定の締結に向け協議していくことでも一致した(11月のAPECで合意を目指す) ・ 投資協定は進出した外国企業に差別や不当な規制を禁ずるのが目的 ・ 協議が進むかどうか疑問はあるが、協定できれば日本企業にとって恩恵は大きい   
歴史共同研究を年内に始める・・・・・ 歴史認識の違いを相互に認識しようとの安倍首相の提案ではあるが、その違いの溝が表面化すると、中国で対日感情が悪化する恐れもあり予断を許さない     
       
   
  中国5ヵ年計画(第11次)    (日本経済新聞10月2日より)
   
■5ヵ年計画の要旨 :   
06年から平均成長率7.5%へ・・・・・ 2006年から第11次5ヵ年計画がスタート・成長の「質」を高めることを狙っている ・ 長期的な採算を度外視したビルラッシュがつづいており、中国人民銀行はその歯止めに、預金準備率(銀行融資に対して現金を8%もつことへと)引き上げを行った ・ 甘くない中国預金準備率の引き上げ ・ また、違法に対しても厳しく処罰をするよう温家宝首相など動いている 
「科学発展観」に基づく発展・・・・・・・ 外資依存の組み立て型産業構造から、独自創出型産業への転換 ・ 2度の有人宇宙旅行に成功したが、まだ一般企業の技術水準は十分ではない ・ 今世紀半ばには「科学技術強国」になると野心的な目標を掲げている ・ 政府は毎年13兆円の研究開発投資を行う       
    先端分野「創新型国家」へ・・・ エネルギー・農業・宇宙開発・情報技術に重点投資をする ・ 国内企業による研究開発を奨励し、ハイテクやバイオなどの先端分野における知的財産権をもつ技術を育成する ・ ベンチャー投資などにも力を入れる   
「和諧社会」の実現(不平等是正)・・ 農村都市格差、不平等の是正 ・ 農村都市のバランスのとれた発展を目指す ・ 農村部の振興を図る(義務教育の無料化・通信網の拡大・医療衛生の充実など) ・ 中央政府が積極的に財政支援をする ・ これまでの「都市戸籍」「農村戸籍」の区分を解消する(農村部からの都市出稼ぎ労働者は医療などの公共サービスを受けられないとの弊害があった・沿岸部と内陸部の一人当たりのGDPは10倍になっている)   
節約型循環型社会の実現・・・・・・・・ 環境問題では「循環型経済」の実現を提唱 ・ 環境破壊の問題解消に「節約型社会」への転換を図る ・ 現状は酸性雨の原因の二酸化硫黄の排出量が年4.2%増加している(石炭火力発電所が主な排出源) ・ GDP当たりのエネルギー消費は、米国の4.3倍・日本の11.5倍 ・ GDPの3%が環境汚染による損失額になっている   
■世界を揺らす工場大国 :          
独自の技術開発に躍起・・・・・・・・・・ 宇宙開発では、2007年に月探査衛星を、2024年には有人宇宙船の月面着陸を目指す ・ しかしその他では世界的に誇る分野はまだ多くない ・ 国内人件費も上昇しており、このままでは国産シェアが低下する懸念が強い ・ 高付加価値製品の独自開発、生産できる体制が望まれている      
鉄鋼・自動車輸出拡大に走る・・・・・・ 家電や自動車の工場が集積する広東省 ・ そこの港町湛江千万トン級の高炉建設が練られている ・ 粗鋼生産量は世界の3割を占めている、前年同期比25%の成長をしている ・ 中国の自動車生産台数もドイツを抜いて世界第3位になった ・ アフリカ・新興国向け出荷だあったが、先進国向けも視野に入れ始めている ・ そこで問題になっているのがブランド力、ブランドの購入も行っているが、ブランド力高揚がこれからの課題   
中国地元銀行力増強・・・・・・・・・・・・ 中国のWTO加盟から5年になる ・ 助走期間を終え銀行分野の人民元業務の全面開放がくる ・ 外資大手金融の中国国内銀行提携足場作り、中国の銀行の株式上場資本増強が始まっている ・ しかし全てが開放とはなっておらず、まだ支店新設、新商品商業化におけるライセンス付与が中国政府の不透明な裁量下になっている     
■北京五輪への準備急ぐ :         
マナー向上の対策を急ぐ・・・・・・・・・ 「迎奥運、講文明」(オリンピックを迎え、文明を重視しよう)の看板・ポスターがあちこちに目立つ ・ テレビニュース番組では「非文明的行動」には繰り返し批判をしている ・ たんツバ・ごみのチョイ捨て・街中での小便・旅先での粗野な行動などせぬよう呼びかけている ・ 街行く市民はまだ関心なさげであるが、若者は喜んでいる      
集団デモ「社会調和」が課題・・・・・・ 昨年中国全土で起きたデモの件数は8万件 ・ 高度成長下で利害の多様化が進んだ結果、人々の利害の調整が難しくなってきている ・ 胡錦濤主席は「調和のとれた社会(和諧社会)」実現へとすすめるが、2020年までは「矛盾の多発期」とも位置づけており、摩擦は各地で起こりそう      
観光業は花開く・・・・・・・・・・・・・・・・ チベット海抜5072mの地点に1956Kmの鉄道を建設した ・ これでチベット観光ブームへと火をつけた ・ 観光業は総合性が強く影響する ・ 海外旅行客受け入れ人数は、フランス、スペインなどに次いで第4位 ・ アジアでは圧倒的首位 ・ 2020年には世界でも首位になるであろうと世界観光機関はみている ・ その前にも、北京万博や上海万博で旅行客は膨らもう 
   
   
  中国の歴史 五千年 (3)      (PHP研究所出版「中国五千年」 ・ ホームページ「ウィキペディア」より) 
      関連記事: 「中国五千年(1)」 ・ 「中国五千年(2)」  (バックナンバーより)
          
■中国の時代年表 : ・・・・・・・・・・ 先史時代から現代までの 時代名 と 首都の変遷       
原人の時代・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 藍田原人(100万年前の頭蓋骨が見つかっている) ・ 元謀原人(50〜60万年前といわれる歯形が見つかっている) ・ 北京原人(50〜20万年前、石器などが見つかっている・頭蓋骨が大きく歯は小さい人間の形に近い)   
文明開化の時代・・・・・・・・・・・・・・・ 天地開闢・・・テンチカイビャク(中国神話の神:盤古で、左目から太陽が・右目から月が・身体から山が生まれたなどと後世に話が作られる) ・ 三皇五帝(で、皇の神、五帝の聖人からなるとされた・最初の世襲王朝夏の以前の時代) ・ 長江文明・黄河文明(BC14000年〜BC1000年ごろまでの範囲をいう・揚子江流域で10000年前の稲作遺跡が見つかっている)      
夏・殷・周の時代・・・・・・・・・・・・・・・ 夏(か):BC2070〜BC1600 ・ 伝説上の王朝 ・ 文字はまだない
殷(いん):BC1600〜BC1046 ・ 実在が確認されている最古の王朝
西周(せいしゅう):BC1100〜BC770 ・ 西安に都をおいた ・ 周の幽王暗殺で没 
春秋・戦国の時代・・・・・・・・・・・・・・・ 春秋時代(東周時代):BC770〜BC403 ・ 幽王の息子・鄭が洛陽に都を移した
戦国時代:BC403(晋が分裂→韓・魏・趙)〜BC221(秦の始皇帝による中国統一)  
秦の時代・漢の時代・・・・・・・・・・・・・ 秦:BC221(中国統一)〜BC206 ・陝西省(せいせいしょう)咸陽(かんよう)に都
漢:前漢BC206〜AD8 ・都は長安(西安) ・ 新漢・後漢AD8〜AD220・都は洛陽  
三国時代・五湖十六国時代・・・・・・・ 三国時代:220〜280 ・の三国が興亡
五湖十六国時代(王朝は西晋・東晋):304〜439 ・5民族16国 ・都は建康(南京) 
南北朝時代・隋・唐・・・・・・・・・・・・・ 南北朝時代:439〜589 ・華南の4王朝 ・建康東晋2王朝 
隋:581〜619 ・中国を再統一 ・ 都は長安(西安) 
唐:618〜907 ・都は長安(西安)  
五代十国時代・宋・元の時代・・・・・・ 五代十国時代:907〜960 ・ 諸地方政権(10国)が入れ替わった
宋の時代:北宋(遼)916〜1125 ・内モンゴルを中心にした契丹人(キタイ人)の王朝
南宋(金)1115〜1234 都は会寧黒竜江省)→燕京(北京) ・モンゴル帝国に滅ぶ
元(モンゴル帝国):1260〜1388 ・首都は大都(北京)と上都(内モンゴル自治区)
明・清・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 明:1368〜1644 ・太祖・洪武帝が南京を根拠に明を建国 ・万里の長城以南を統一
清:1644〜1912 ・満洲族愛新覚羅氏が建国 ・首都北京 ・ 1911武昌辛亥革命が起こり、清が内部崩壊 ・翌1912南京に中華民国が樹立され溥儀退位     
中華民国・中華人民共和国・・・・・・・ 中華民国:1912〜1949 ・各地の軍閥が正統を主張 ・全国統一の政府はなかった
中華人民共和国:1949〜中国共産党によって建国された社会主義国家
  
■漢の時代の人物 : 
  漢の時代・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 秦の始皇帝没後わずか3年で秦滅亡 ・中国の歴史は農民の反乱で王朝が何度も変わったがその先がけが陳勝・呉広 ・ 劉邦が漢帝国を建国 ・ 劉邦が7年で没しその後その后であった呂后(りょこう)が男勝りの腕で実権をにぎる ・ 漢王朝は第七代武帝の時代が最盛期 ・ 武帝はシルクロードを開拓し西域諸国と交渉を開始した ・ 漢は前漢(西漢)と後漢(東漢)400年続いたが、その間に「新」王朝があった ・ その創始者王莽(おうもう)は儒教的な政治支配をもくろんだ ・ しかし経済で失政し暗殺され、後漢の創始者光武帝・劉秀に実権が戻された      
         
          次回の中国特集では 三国時代・南北時代について致します