風邪の治療の新常識 (読売新聞H1612月8日〜11日の医療ルネッサンスより) |
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■薬は不要・養生で回復 : (練馬区五十嵐こどもクリニック五十嵐院長の話) |
風邪以外の病気でないか確認を・・・・ |
まずは、単なる風邪なのか、それともインフルエンザや扁桃腺、肺炎、肺がんなどの別の病気が隠れていないかの見極めが重要 |
風邪を予防する薬はない・・・・ |
風邪薬は、熱やせき、鼻水などの症状を抑えるのが目的 ・ しばしば医療機関で使用される抗生物質を細菌予防に使用されてきたが、予防効果があるとの証拠はなく、風邪予防には本来必要はない ・ 当院では、単なる風邪には薬を出さず、養生の説明書を渡している |
風邪は養生で治す・・・・・・・・・・・・・
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日本呼吸器学会は、「かぜは薬で治すものではありません」の診療指針を発表した ・ ただしここでいう風邪とは、鼻からのどまでの上気道の炎症をいう ・ その場合は8〜9割はライノウィルスが原因で、インフルエンザを除いて効く薬はない ・ 身体がもっているウィルスと戦う免疫を養うこと(養生)が大切と五十嵐医師談である ・ 風邪の養生には次の5件に留意するとよいという |
@水分をとる・・・・・・・・・・・・・・ |
発熱すると水分が失われるので、水分をとるとよい ・ 鼻水やたんが水っぽくなり、鼻づまりやせきが楽になる |
Aビタミンの多い食事をする・・ |
発熱時には、野菜や果物がよい ・ ウィルスに防御の免疫増加に、ビタミン豊富な食事をする |
B休養をとる・・・・・・・・・・・・・ |
エネルギーを感染防御に十分使用するため、睡眠を十分にとる |
C乾燥をさける・・・・・・・・・・・・ |
湿度は60%以上へ ・ 乾燥すると肺炎や中耳炎など、2次感染が起きやすくなる |
D細菌の侵入防止・・・・・・・・・ |
手洗い、うがい、マスクの活用、人ごみを避ける |
■入浴・解熱・咳止め・その他療法 : (練馬区五十嵐こどもクリニック五十嵐院長の話) |
入浴は特に問題はない・・・・・・・・・・ |
体温より5度低いぬるめの風呂に15分ほど入ると、1.5〜2℃程度の下熱効果がある ・ 発汗作用の強い解熱剤のように、体内の水分が失われる心配がない ・ 身体が衰弱しているときの入浴は勧められない ・ ただ、体力を奪う長風呂や湯冷めには注意したほうがよい |
40度以上で解熱剤を・・・・・・・・・・・・ |
体温が高いほど免疫活動が盛ん ・ つらく食事がとれないということでなければ、解熱を急ぐ必要はないと五十嵐さん ・ 熱を下げるには、首筋やわきなど太い動脈が通っているところを冷やすと効果的 |
鼻づまり時は暖かいタオルを顔に・・・ |
鼻づまりやせきは、細菌やほこりを排出するための反応 ・ 鼻がつまってしまうと口呼吸が多くなり、細菌などで二次感染の恐れが高まる ・ 鼻づまりには、お湯で温めたタオルを顔に乗せる方法をお薦めする ・ 血行がよくなるのと、湿気が鼻腔に入るのでよい |
しょうが湯にたまご酒・・・・・・・・・・・・ |
しょうがを刷ってお湯に入れるしょうが湯は血行をよくし身体を温める ・ 葛根湯もよい ・ 温かい日本酒に溶き卵を入れる玉子酒は、卵白に消炎作用があり、アルコールは血行をよくする ・ ネギや大根も抗菌作用のある成分を含むのでよい |
■薬の重複には注意 : (八王子市堀美智子薬剤師談) |
風邪薬の重複投与は危険・注意を・・ |
3種類の解熱剤を含む12種類の薬を投与され死亡事故に至った例もある ・ 同じ効能の薬を複数飲むことはよくない ・ 市販薬でも副作用が出やすい |
重複投与での問題例・・・・・・・・ |
解熱剤であるが、総合感冒薬を飲んだ上に、早く熱を下げようと、はやく熱をさまそうと解熱剤を飲む人がいる ・ それでは解熱剤を重複して飲むことになり問題が生じる |
総合感冒薬は症状をよくみて・・ |
また、鼻水の症状しかないのに、総合感冒薬を飲むと、不必要な解熱剤まで飲んでしまうことになり、副作用の恐れを高める ・ 症状に合わせて、ひとつだけの薬を投与することが必要である ・ 風邪薬はウィルスをたたくものではなく、症状を抑えることが目的なので、症状に合った薬の投与が大切である |
市販薬の特徴と副作用等注意事項・ |
市販薬も成分、特徴をよくみて投与してしてください |
アセトアミノフェン・・・・・・・・・・・・ |
(非ピリン系)作用は穏やかで副作用が少ない ・ 小児にも使用される ・ 飲酒習慣のある人は、肝臓障害を起こす危険性がある |
アスピリン・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
(非ピリン系)炎症を治める効果に優れるが、胃腸障害・ぜんそくなどを起こす副作用の危険性がある ・ 小児のウィルス性疾患に使うと、脳障害などのライ症候群を引き起こす可能性がある |
イブプロフェン・・・・・・・・・・・・・・ |
(非ピリン系)医薬用から市販薬用に転用された薬で、消炎効果がつよい ・ 胃への負担は少ないとされる |
イソプロピルアンチピリ・・・・・・・ |
(ピリン系)同じく医薬用から転用された薬で、ピリン系は効果が強いが、アレルギーによる薬疹がでることがある |
抗生物質も腹痛やら目にくることあり・ |
風邪薬は抗生物質も、副作用で「スティーブンス・ジョンソン症候群」になり、目が見ずらくなった例がある ・ 薬の飲みすぎには注意しましょう。 |
■肺炎はワクチンと口腔ケアで防ごう : |
高齢者はかぜと間違えやすい・・・・・ |
肺炎は、がん、心臓病、脳卒中に続いて、日本人の死因の第四位 ・ 高齢者は急激な症状が出にくく、かぜと思って見過ごしやすく一大事を招きかねない |
肺炎予防にはワクチンがある・・・・・・ |
肺炎は、肺炎球菌、インフルエンザ、マイコプラズマなどの病原体の感染で起こる ・ 最も多いのが肺炎球菌によるもので、ワクチンはこれに対するもの ・ 日本での接種率は65歳以上でまだ2%と低い(米国は61%) ・ これを受けると絶対に肺炎にかからないということではないが、重症化を防ぐことができるので、高齢者はしておくとよい |
口腔ケアが肺炎を防ぐ・・・・・・・・・・・ |
(読売新聞 2005年11月26日の医療ルネッサンスより:市川市の東京歯科大学の渡辺医師談) |
口の消毒とマッサージで減少・・ |
抗菌剤の効かない肺炎患者に、口の消毒やマッサージなどの口腔ケアを定期的に続けた結果、肺炎患者が減った例がある |
誤嚥性肺炎・・・・・・・・・・・・・・・・ |
高齢者や脳卒中の患者に多いが、嚥下機能の低下で、口腔内にある細菌や分泌物、胃液などが、少しづつ肺へ吸い込まれ発症するケースが多い ・ 食事も注意が必要で、汁物に「とろみ」をつけたり、ゼリー状にすると 誤嚥を起こしにくい |
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風邪の治療と予防 |
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■風邪とインフルエンザの見分け方 : (朝日新聞2006年1月29日より) |
インフルエンザは全身症状が激しい・ |
インフルエンザの特徴は、38度以上の突然の高熱とともに、のどの痛みやせき、頭痛や倦怠感などの全身症状が激しくでる |
かぜとインフルエンザの比較・ |
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インフルエンザ |
かぜ |
熱 |
およそ38度以上 |
平熱〜38度ぐらい |
症状の現れ方 |
強い頭痛・関節痛、
倦怠感など全身へ |
はなみず、せき、くしゃみ
など、鼻や喉に局所的 |
進み方 |
急激 |
比較的ゆるやか |
原因 |
インフルエンザウィルス |
コロナウィルス
ライノウィルス
アドノウィルス など |
感染経路 |
主に空気感染 |
手やものを解した接触感染 |
感染力 |
強い |
比較的弱い |
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小学校低学年まで区別困難・・ |
小学校低学年くらいまでは、両者の区別がつけにくい ・ 風邪でも38度以上の熱が出ることがあり難しい ・ 流行のはじめや終わりごろは間違えやすい |
小さい子供は肺炎・髄膜炎も・・ |
小さいこどもの場合、肺炎や髄膜炎など、専門家でないと区別できない場合もある ・ 特に乳幼児の場合、明らかな症状が出てこないで急激に悪化することがあるのでこわい |
■かぜの予防に何をしていますか : (朝日新聞2005年1月22日より) |
風邪予防のアンケート結果・・・・・・・・ |
7割の人が風邪予防をしているとの回答があった ・ 高熱があっても仕事へ行ったことがある人は6割 |
予防方法・・・・・・・・・・・・・・・ |
常識的回答ではありますが、@手洗い Aうがい B厚着などで保温 C室内温度管理 D栄養をとる D入浴で温まる E運動をする F外出をひかえる Gマスクをする H乾布摩擦 Iその他 |
手洗いがよい・・・・・・・・ |
上表にあるように、かぜの感染経路は接触感染 ・ ライノウィルスやコロナウィルスは手を介しての感染とみられる ・ 電車のつり革やドアののぶにウィルスがつきやすい ・ 特に手洗いは大切 (朝日新聞2006年1月29日より) |
祖父母に教わる予防法・・・・・・・・・・ |
「玉子酒を飲む」 ・ 「カリンのはちみつ漬けをお湯で割って飲む」 ・ 「ショウガ湯を飲む」 ・ 「ニンニクを擦って焼いたりして食べる」 ・ 「梅干をお茶に入れて飲む」 ・ 「大根のはちみつ漬け汁を飲む」 ・ 「ネギみそを湯に溶いて飲む」 ・ 「サウナや熱い風呂に入る」 ・ 「ネギを首に巻く」 ・ 「赤ワインに黒こしょうを入れて温めて飲む(ルーマニア)」 ・ 「アルコールで身体を拭く(ヨーロッパ)」 などなど寄せられましたが、さだかなものではありません。 |
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インフルエンザ大流行に備える (朝日新聞2007年1月23日〜25日より) |
■空港・都内水際対策困難 : |
流感の発生地からの帰国者の流感国内持ち込み防止水際対策 |
頼るは空港なるも決め手なし・・・ |
空港では、旅行中に健康に異常があった人は申し出るようになっている ・ しかし帰国時は潜伏期間で帰宅後発症する場合もあるので、空港通関時チェックだけではうまく行かない ・ 外務省は、世界保健機構(WHO)が新型インフルエンザの発生を宣言する直前か、その調査団が現地入りしたタイミングで、在留邦人の帰国を促すことを検討している ・ 鳥インフルエンザなど新型インフルエンザ対策に政府が本格的に乗り出して1年になる ・ 国内最大2500万人が医療機関で受信するとの想定で、検討が進められている |
■ワクチン効果は未知数 : |
鳥インフルエンザ向けのワクチン作りが、香川県にある阪大微生物病研究会のワクチン工場で昨年秋から進められている ・ ワクチンは実際に発生したウィルスから出ないと作れない ・ 今作られているワクチンは東南アジアで流行中の鳥インフルエンザウィルス(H5N1型)をもとにしたものである ・ 国内では1000万人分を目標に準備し、医師や看護師、電気ガス水道などの社会機能維持者に接種する分との考えである |
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■リンク集 : |
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風邪に関するサイト・・・・・・・・・・ |
風邪のクリニック ・ 風邪に関する医学的常識ウソ・ホント ・ 風邪の症状 ・ 肺炎ワクチンについていろいろ詳細 |
予防・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
風邪対策の究極の極意 ・ 咳が止まらない ・ 風邪のレシピ ・ 風邪の食事 |
インフルエンザに関するサイト・・ |
国内のインフルエンザ情報の公開(国立感染症研究所) ・ インフルエンザ総合リンク集 ・ インフルエンザ情報サービス(高齢者・妊婦・休めない方向け個別情報) |
予防・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
インフルエンザ予防接種Q&A ・ インフルエンザの種類と特徴・予防法 ・ インフルエンザ予防接種の有効性と副作用 |