インド興国の政策(宇宙・原子力ほか) ・ インドの古代史  
        
                 

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興 隆 す る イ ン ド  
インドの古代史
宇宙技術を原子力技術
  宇宙技術が生活を変える
タタ自動車が猛追・インフラ整備
 . 子供雇用・女性冷遇が課題
 厳しい・ダウリーとサティー
インドのエコ(再生可能エネ発電)
 . BC4000〜紀元まで
 花のあるインダス文明
世界遺産・観光地リンク集
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  興隆するインド   (読売新聞5月22日〜26日より)  
■宇宙技術と原子力技術 :         
2015年に有人宇宙旅行を計画・・ 2007年4月23日、インド南東部の沿岸にあるスリハリコタ島(インドの宇宙基地)より全長44mのロケット打ち上げに成功した ・ 2008年初頭には月探査衛星も打ち上げる ・ 2015年には有人宇宙飛行を、そして2020年には有人探査船による月面着陸を行う予定だという ・ 
   国威発揚・大国への切符・・ 国内には貧困層を抱えているが、3000億円を超える巨額の宇宙開発費を投ずるのは、「大国への切符」だと確信してのこと ・ 各国のロケット打ち上げ数(2007年4月現在):ロシア(1507回・成功率96%)・米国(535・93%)・欧州(174・94%)・中国(93・91%)・日本(57・91%)・インド(22・68%)   
    宇宙技術が生活を変える・・ 宇宙通信技術を利用して、医療を僻地でも受けられるようにしている ・ 医師の8割が都会に集中するインドでは、農村部などの医療が困難であり、遠隔医療スポットが95箇所に設置されている ・ この衛星技術は米国コロンビア大学の遠隔講義を、40もの大学で受講できるようにしたりしている ・ 僻地対策に活用をと研究が進められている    
「核兵器増強」 米も黙認・・・・・・・・ 西パキスタンとのタール砂漠のポカランが原爆実験地 ・ ここが聖地になろうとしている ・ 当地には戦争博物館があり、戦争の歴史をインドの誇りとしている ・ 核を持つことはよいことだと当地の人々は言いきっている 
   核大国中国・ロシアに隣接由 中国・ロシア、それにパキスタンも各開発を進めていたので、インドも核を持つようになったと、政府の補佐官・高官は説明する ・ インドは北京に到達する弾道ミサイルももっている ・ インドの核開発の歴史は古く1948年に始まっている ・ 軍事と民生を分けない形で開発が進められてきているが、米国はインドの電力事情からインドへ原子力技術を供与するようになってきている  
   アジア安定化で容認・・・・・・ 米国同時テロとアフガン侵攻があって、アジア安定化のために、インドの核保有を 米国は容認するようになった ・ インドは他国を侵略したことはないとの判断もあって容認    
    
■製造大国への青写真 :     
91年経済自由化以降発展・・・・・・ インドの自動車産業は1940年に始まったが、社会主義の経済統制下で無競争状態に陥り、品質が悪く外国車に大きく水を開けられた ・ 1981年に日本スズキ自動車と提携、日本の技術導入を開始 ・ 1991年以降経済が自由化され製造業が近代化され、タタ製鉄が自動車産業を開始、スズキに挑戦する ・ 現在同社は、スズキの半額30万円程度の二輪車並の価格で四輪車を販売するようになった(人件費の安さを武器にしている) 
   タタ自動車がスズキを猛追・・ タタ社は全国から選抜した17〜18歳の若者を3年間職業訓練生として、寮生活、スポーツで協調性も高めるなどしている ・ 愛社精神高揚させる日本式の経営を進めている ・ 乗用車市場は2006年前年度比21%増の138万台となり、モノづくり大国への脱皮を果たそうとしている 
   インドの自動車のシェア・・・・ マルチ・ウドヨグ(日本):46% ・ タタ自動車(インド):16.4% ・ 現代自動車(韓国):14.2 ・ マヒドラ(インド):6.5% ・ホンダ(日本):4.4 ・ トヨタ(日本):3.6% 
2008年からのインフラ整備・・・・・・ 延長1483キロの高速貨物鉄道建設(インド西側の沿岸) ・ 高速道路建設 ・ 工業団地12箇所整備 ・ 大型物流拠点10箇所整備 ・ 各州に農業加工区を開発 ・ 港湾空港電力の増強
   土地を奪われる農民苦闘・・・ 土地を奪われる農民、土地代平均24万円の補償金では納得いかず、各地で紛争がおきている    
    
■子供雇用、女性冷遇が課題 :        
インドは児童労働大国・・・・・・・・・ 全国で働く14歳以下の子供は1200万人(政府発表)・1億3000万人(実数) ・ 大人の労働者を保護する労働者保護法はあって、毎年数百件のトラブルが各地で起きているが、違法に雇われた子供達を保護する労働法はない ・ インド経済を支えているのはこの児童労働 ・ 人権問題はインドの大国への大きな課題である   
女性地位の向上も課題・・・・・・・・
20歳前後で見合い結婚をします ・ 結婚後も大学に進学する女性も多いですが、そのような女性達にとっても、男児を生むことが期待されます ・ カーストや学歴が上位であることから、続けて学業キャリアを積むことも否定されてはいません ・ 仕事で管理職についている女性、日本より遥かに多くいます ・ しかしそのような女性はひとにぎり、有力な男性のバックアップのある女性に限られます ・ その他の多くの女性は、以下に述べるように、ダウリー制、サリーなるよう、悲惨なもものもあります
   ヒンドゥー教のダウリー制・・・ 花嫁が花婿へ持参金や家財道具を贈るヒンドゥー教の習わしダウリー ・ インド全域で一般化しており、金額の値も上昇している ・ ダウリーの支度できない場合には、花嫁は花婿の家族から冷酷な扱いを受け、死に追いやられる事も多い ・ このため女児の誕生を喜びとせず、女児を殺害するケースも多い ・ ダウリーの額は、大学卒業資格をもつ男性(医学、工学部卒を除く)の初任給が6250円であるがその場合で、大凡25万円から500万円ないしそれ以上の額にのぼる ・ その解決に向け、女性の地位向上・女性の実力UPが待たれる
   悲惨な女性の地位・・・・・・・・
女性は結婚し、男の子ができると地位が一気に向上し、安泰なものとなる ・ 寡婦や子供のいない女性は不吉とされ、居場所すらないほどに冷遇される ・ さりとて高カーストの女性は、サティー(夫の火葬に飛び込んで自殺すること)を周囲に強いられるケースが多い ・ ヒンドゥー教では再婚は許されないので、夫をなくした女性は、白いサリーを着て、社会的に抹殺されないよう細々と暮らすことになる
              
■インドのエコ対策、世界が期待 :           
再生可能エネルギーを活用・・・・・ インドのエネルギー消費の内訳は、石炭が34%・石油22%に対し、再生可能エネルギーが34%と驚異的に高い ・ 牛の糞や生ごみを水でかき混ぜてコンクリのタンクに流しこむだけでメタンガスを得られる ・ ヒンドゥー教徒の神である牛の糞が、天火干しで固形化され燃料にされている ・ その他木材による火力発電、太陽光発電も導入されている
   世界の大エネルギー消費国・ インドは世界第4位のエネルギー消費国で、日本よりも多い ・ 年率9%で経済成長をすると、エネルギー消費は更に今の4倍になる ・ 牛の糞のほか、風力発電に力を入れており,アジアで首位、世界で第4位の規模を誇る
島の沈没が始まっている・・・・・・・・ インド東部ガンジス川河口一帯にある島が海中に沈もうとしている ・ 島の4割が侵食され、4000人いた島民のうち3000人が環境難民として島を離れた ・ 102島のうち、2島が既に水没した ・ インドでは2100年までに海面が40cm上昇すると5000万人が避難しなければならなくなる 
   京都議定書参加を拒否・・・・ インドの農村の57%はまだ電気すらない ・ そのような状態なので、京都議定書への参加は不可能、地球温暖化は米国などの責任が大きいと主張する ・ しかし、経済急拡大するインドでもあり、エネルギー大消費国になった今、エコへの責任ある大国になっている 
    
   
  インドの歴史                
          
■観光地より : (リンク集)     
世界遺産・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ タージ・マハル ・ アーグラ城砦 ・ フーマユーン廟(デリー) ・ クトゥブ・ミナール(デリー) ・ ファテーブル・シークリー ・ エローラ石窟群 ・ ブッダガヤの大菩提寺 ・ アジャンター石窟群 ・ サーンチーの仏教建造物群 ・ 世界遺産めぐり(世界と日本)      
その他観光地・・・・・・・・・・・・・・・・ インドのすすめ(不思議な町・インド人の文化) ・ インドの情報 ・ インドリンク集 ・ インドツアー情報 ・ Road to Buddha         
                   
■インドの歴史 (紀元前) :         
BC8000年〜 世界の文明開花・・ 世界最古の文明メソポタミア文明(イラン高原・インドから移住したシュメール人による文明が、トルコのチグリス・ユーフラテス川流域に開けた)が紀元前8000年ころからあったといわれる ・ 原始農耕・羊の家畜化などをおこなっていた ・ 紀元前4000年にはシュメール人による都市国家が形成される ・ 紀元前3100年にはエジプト統一国家が生まれる ・ そして紀元前3000年エルサレム建設 ・ インドのインダス文明もこの頃に起こった        
BC2600〜BC1500 インダス文明・・
前2600年〜紀元前1800年にインダス文明が栄えた ・ インダス川とガッガル・ハークラー川の流域に都市ができ、そこにインダス文明が誕生した ・ その中心地は、インダス川下流域のモヘンジョ・ダロとパンジャーブ地方のハラッパー ・ それぞれの街の中心に神殿や王宮はなく、中心には大きなプールがあるだけだった ・ このプールは神聖な沐浴場で、神殿の役目を果たした ・ インドでは、現在も沐浴で体を清める習慣が残っているが、インダス文明のころからの習慣である ・ インダス文明の特徴はさまざまな工芸品にあり、作られたものはアラビア海を越えてメソポタミアなどに運ばれた    
   インダス文明の特徴・・・・・・・ 綿密な計画のされた都市づくりにある ・ 大沐浴場など公共建築物が置かれた政治的・宗教的な中心地 と 一般 の家屋のある市街地とが分かれていた ・ 中心地はレンガ造りの城塞で囲まれていた ・ 市街地には労働者の集団住宅、製粉場、穀物倉などがあり工芸品も作られていた ・ 人物や動物の土偶、玩具、土器やその表面に描かれた彩文、あるいは金属・貝・貴石製品などが発見されており、、インダス文明は豊かな生活であったようだ ・ 武器らしい武器も発見させていないこともインダス文明の特徴である     
BC1500〜BC1000 リグ・ヴェーダ・ インダス文明衰退後、インダス川上流域のパンジャーブ地方にアーリア人中核の社会が形成される ・ 太陽・月・雨・風・火などの自然現象を神格化し、また英雄神や火神などを奉り山岳や草原地帯での生活をしていた ・ 遊牧をしながら東ガンジス川流域へ移動、牛をつれ、富の尺度は牛であり牛の略奪も多発した      
BC1000〜BC600 後期ヴェーダ アーリア人達はドアーブと呼ばれるガンガーとヤムナーの両川流域一帯に次第に定着し、農耕に従事するようになった ・ 農耕と生活に使用する鉄器・土器が、アーリア人の移動経路に沿って出土している ・ 後期ヴェーダになって、特権的な階級が生まれた(司祭階級:バラモン ・ 王侯士族階級:クシャトリア) ・ 祭式万能のバラモンが複雑な体系をつくり、婚姻にも内婚の規制を設けるなどして、王制度もできパンチャーラ国などの国家が形成された ・ ここで生まれた信仰がバラモン教である ・ ヒンドゥー教の前進  
BC600〜BC400 十六大国時代・・ 仏教の開祖クシャトリヤー族出身のブッダ(ガウタマ・シッダールタ・お釈迦様)やジャイナ教の創始者マハーヴィーラ(ヴァルダマーナ)などがいた時代 ・ 十六大国といわれる部族共和制の王制国家が多数あり、次第に4大王国割拠の状態へ、そしてマガタ国が統一するに至った ・ マガタ国のビンザサーラ王(BC546〜BC494)とアジャータシャトル王(BC494〜BC463)はブッダのブッダの活動を支援した ・ 手工業が盛んになり、都市相互間での交易が活発になった ・ 河川交通も盛んであった        
   仏教とジャイナ教・・・・・・・・・・ 仏教の活動は、富裕な商工業者の支援によるところが大きかった ・ バラモン教の身分意識に捕らわれず、行為重視・思想の中庸をといた教えは、商工業者の生活・論理に合致した ・ シュラーヴァスティーには平家物語の祇園精舎などもつくられた ・ ジャイナ教もこの時代に作られ、生まれ変わりでも繰り返す輪廻(りんね)の苦しみから脱却する道として、厳しい戒律の遵守を説いた ・ 不殺生の戒律の徹底が特徴で、小さな虫でも殺さぬように注意した ・ 従って、小動物を殺す危険性のある農業には従事せず、もっぱら商業についた  
BC400〜BC180 マウリア王朝・・ マガタ朝はナンダ朝を経て、マウリア朝となり、軍制・官僚機構など安定化し頂点を迎えた ・ マウリア朝の創始者はチャンドラ・グプタ(BC317〜BC293)である ・ パータリプトラを首都にしてアフガニスタンの一部まで割譲させた ・ マウリヤ朝は第3代のアショーカ王(BC268〜BC232)によって、インド最南部を除くインドほぼ全域を治めるようになる ・ アショーカは長期間偉大なる王であったが、仏教の伝道者の一人でもあった ・ 文化・宗教をインド南端など遠隔地にまで及ぼした ・ 
   アショーカのダルマの教え・・ 簡略して「法」と訳されるが、その意味は法の範囲を超えて、動植物を含んでの生命の尊厳、宗教者や目上の者への尊敬、奴隷などへの労りといった論理であった ・ アショーカは仏教に深く帰依しており、ダルマの政策もその影響下で考え出されたものだが、仏教そのものの理念ではない ・ 他宗教も含めたなかで尊崇の態度をとることを説いており、個人的な志向とは変えての宗教政策をとったものとみられる      
BC180〜BC0 バラモン教復興・・・ マウリヤ朝滅亡後北インドにシュンガ朝(BC180〜BC68)、カーンヴァ朝(BC68〜BC23)があった ・ この時期、バラモン教が勢力を盛り返し、ヴェーダ儀式なども行われた ・ 中央アジアから西北インドに掛けては、異民族ではあるが依然仏教が指示されていた ・ ギリシャ人がガーンダーラからパンジャーブまで進出し、バクトリア王国を樹立した 
   
                         インドの中世史、近代史は追って纏めます