日本が世界をリードするのは環境問題で ・ ハイリゲンダムサミットの成果  
        
                  (日本経済新聞 朝日新聞 読売新聞より)   新聞特集などを分かり易く整理

  .
環境への新戦略 ハイリゲンダムサミットでの成果
温暖化2℃以内への柱は分散型発電
産油国と消費国の連携で危機回避
21世紀は飢餓の世紀・各国連携を
 . サミット宣言に数値目標を提示
新興5カ国との対話の枠組み
安倍首相の談話(メルマガより)
 . 排出枠での投資熱高まる
イギリスの環境相談話
CO2削減あの手この手
    特集記事のバックナンバー:      掲示板 (チョット関連の話題ありませんか) 


  環境への新戦略        
■地球貢献国家への提言 : (朝日新聞2007年5月3日の社説)        
京都を地球保全の原点に国の目標を・・ 2045年ごろには現在65億人の地球人口が100億人になり、温暖化で食糧不足・水不足で数億人に飢餓が出るものとみられる ・ これからの日本は、多くの国が利益を共有できる「国際公益」を求め、そこからの成果を享受していくのが賢い道 ・ 2012年京都議定10周年に向けて、2008年洞爺湖サミットで結束を固めたい ・ 目指す目標は気温上昇を20世紀末、2℃以内に収めることである ・ 原油価格の高騰、波乱含みの中東情勢、資源大国で影響力を強めるロシアなどなど石油危機の懸念はつきないが、省エネをして石油への依存度を少なくすれば、日本はそれだけ危機にも強くなる 
温暖化2℃以内への柱は分散型発電 そこでは巨大発電所での集中型から分散型のエネルギーを増やすことが柱になる ・ 太陽光発電・風力発電はどは地域・企業・家庭など小さな単位で調達する方が理にかなう ・ また分散型は、排熱利用・地域暖房などにも使える ・ もう一つ分散型として期待出来るのは都市ガスである(燃やすだけでなく、家庭やビルごと発電ができ排熱利用ができる、かつ水素ガスを取り出して燃料電池にも使える ・ 国立環境研究所などがまとめた「日本低炭素社会」のシナリオ」(リンク1リンク2)では、今世紀半ばには日本のエネルギー需要を40〜45%に減らせるという
産油国・消費国連携で危機を回避・・・・ 中東・アラビアに投資し供給源を持つことも意味あるが、採掘権を破棄されるなど、将来にわたって原油が日本へ届くかの保証はない ・ 油がでるかでないかの投資は無駄が多すぎる、これからは自主開発の発想をかえて、採掘権だけへの投資ではなく、現地の経済や労働力などを支援し産油国に感謝される関係樹立を築きたい ・ また消費国間では石油の備蓄・天然ガスの備蓄パイプライン設置でリードをしたい     
21世紀は飢餓の世紀・各国連携を・・・ 食料をめぐる世界の情勢は大きく変わろうとしている ・ 中国、インドなどの人口の増加と経済の発展、地球温暖化による干害の心配、農作物からつくるバイオ燃料のブーム、世界的な魚の消費拡大などだ ・ 政府は「不測時の食料安全保障マニュアル」を考えており、現在の食料自給率40%は低すぎるとしている ・ 21世紀は飢餓の世紀とも云われており、深刻である ・ オーストラリア、カナダなど食料輸入国との自由貿易協定(FTA)などでの連携づくり、途上国には農業技術支援などにより農産物輸出拡大への基盤づくりをすすめたい     
          
       
   
  ハイリゲンダム(ドイツ)サミットで温暖化対策合意    
   
■米国・ロシアを巻き込むことができた  : (日本経済新聞6月8日)  
サミット宣言に環境目標を提示できた・・ 6月6日からドイツ北部ハイリゲンダムで開かれたサミットの主要テーマは、地球温暖化対策での合意ができるかにかかっていた ・ ドイツ:メルケル首相を中心に英国:ブレア・仏国:サルコジ首相が米国説得に動いた ・ 「2050年までに温室効果ガス排出量を半減させることのEU、カナダ、日本の決定を真剣に検討する」とのことでサミット宣言をまとめることができた         
    ポスト京都議定書09年までに・・・ 08〜12年までの削減目標を定めた京都議定書の終了後の新たな枠組み作りを、すべての主要排出国を含める形で09年までに合意を目指すこともサミット宣言に明記された ・ また将来環境に関する行動を交渉するときには、国連の気候に関するプロセスが適切な場であることも確認された       
            .

  . 新興5カ国との対話の枠組みで合意:

合意されたサミット宣言には、地球温暖化問題のほかに 「主要新興国との協調なくして主要な挑戦に対処できない」として、新興5カ国とG8が対話を継続するとの「ハイリゲンダム・プロセス」をつくることで合意された ・ 地球温暖化のほかに、OECD(経済協力開発機構)において、模倣版・海賊版対策を主要テーマとして、09年度イタリアサミットで最終報告するべく進められることになった

安倍首相メールマガジンより:(サミットを終えて):

3原則「すべての主要排出国の参加」、「各国ごとの事情に配慮する柔軟性」、「成長と環境の両立」を訴えました ・ その3原則はすべて宣言文に反映され、数値目標をもって各国が「真剣に検討する」ことも明記されました ・ 環境問題は、日本が世界をリードし、国際社会に最も貢献できる分野と確信しています ・ 日本は、GDP当たりのCO2排出量が世界一少なく、環境保全と経済発展を両立したモデルを、世界に先がけて、すでにもっているからです ・ 日本は、この30年間で、GDPは2倍になりましたが、石油消費量は8%減少させました ・ また太陽電池、ハイブリッドカーなどの技術をもっており、世界に貢献できると思います
■各所における新しい環境戦略 :   (読売新聞2007年5月31日〜6月4日の社説)          
排出枠で投資熱が高まっている・・・・・・ EU(欧州連合)は2005年に、域内排出量取引制度をスタートさせた ・ 06年の取引額は3兆6千億円で、その8割以上がCO2の売買であった ・ ロンドンの炭素市場は世界をリードしている ・ また英国政府は温室効果ガスの削減を2012年までに20%削減可能と見ている ・ 英国では44業種との間で協定を結んでおり、燃料の使用料に応じて課税する仕組みをつくっている ・ イギリスにおける気候変動への戦い ・ オーストラリア、アメリカのカリフォルニア州でも同制度の導入の準備がすすめられており、世界的な動きになりだしている    
英国のデビッド環境・食料・農村相談・・ スターン報告によれば、2050年までに気温上昇を2℃以内に収めるにはCO2排出量を90年比で半減させる必要があると説いている ・ 危険な気候変動を防ぐには、安定化目標数値が必要 ・ 来年洞爺湖サミットでは、G8に主要排出国を加えた20カ国の対話も行われる ・ 中国インド国内でも、気候変動の危険について語られだしている ・ 途上国もクリーン開発メカニズムの仕組みを運用、継続すべきである     
CO2活用で油田を復活・・・・・・・・・・・・ カナダ・サスカチワン州のウェイバー油田では、二酸化炭素を利用して(炭素貯留技術CCSにより)、原油の粘性を弱め、石油の採取量を増やしている ・ 石炭の一種である褐炭を熱分解して合成天然ガスを生産する同社は、CO2ガスが煙突から出ていたがそれを利用できるようにしている ・ このほかにも、CCS作業では、ノルウェーやアルジェリアなどでCO2を海底や地中に埋め込むことなどが進められている
燃料農場拡大・食を圧迫か・・・・・・・・・ ・EUは、全エネルギー消費量の20%を再生可能エネルギー(石油・石炭など化石燃料でないエネルギー)にする目標を掲げている ・ 菜種やヒマワリの作付面積、燃料工場の増加を急がれている ・ EUのこの意欲的な目標が、各地でバイオ燃料関連事業の創業ラッシュとなってきているが、一方では栽培のための環境破壊・食料の高騰などをともなっており、うまくは進んでいない          
風力発電アジアに照準・・・・・・・・・・・・ デンマークでは全電力生産量の17%を風力で賄う(デンマークの風力発電機メーカ:ベスタス) ・ デンマーク政府は風力・太陽光など再生可能エネルギーの割合を2025年までに30%以上にまで引き上げる計画である ・ 近年アジアで風力発電はアジアで勢いを伸ばしている ・ 中心は中国とインド(ベスタス社の国別売り上げの5位・4位)