日本の時代再来を目指して(上) 日本が尊敬を集める日 
        
                  (日本経済新聞 12月1日日経創刊130周年記念特集より)   新聞特集などを分かり易く整理

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美しい国の行方(次の10年) 東アジア繁栄へ結束
BRICsとNEXT11のグローバル世界
世界の指導者続々交代・混沌の時代
ソフトパワーが世界をリードする
 . 10年後の日本にはアジアの人々が活躍
ASEANとEPA締結ができたなら
APEC+6のEPA構想を阿倍首相提唱
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  美しい国の行方(次の10年) 
■日本が尊敬を集める日 :         
BRICsとNEXT11参加でグローバル G5(日米英独仏)の時代からグローバル経済の時代へ変わった ・ BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)が登場し、最早NEXT11(韓国・トルコ・ベトナムなど)に視線が集まっている        
    一方先進国も成長軌道へ・・・・ グローバル化で大競争に喘ぐかとの先進国も、独自に成長路線にのった ・ 米国はITで、欧州連合拡大で欧州も蘇り、日本もアジア発展の恩恵を受け発展を享受できた ・ こうした中で第二の経済大国、日本の役割は一層重要になる ・ 検証する   
ソフトパワーへ創造力を・・・・・・・・・・ 混迷する世界で頼りになるのは、世界の人々を引き付ける魅力ソフトパワーである ・ 欧米が経済再生の原動力にしたのは外資であった ・ 日本も外資誘致のため国際責任を果たすことが大切、環境問題の打開に、核拡散防止にリードが期待される          
■東アジア繁栄へ結束 :          
10年後日本にはアジア人が各所に・・ 介護師・看護師はフィリピン人・タイ人が、大衆乗用車はタイ製・中国製が、温泉地には中国人・台湾人・インド人が、食卓にはベトナム産・オーストラリア産のジャポニカ米がといった具合になるであろう ・ 人口8000万人のベトナム・人口2億人のインドネシアなども経済発展に目覚め、経済統合への流れが加速しよう ・ 日本の対アジアとの貿易額は最早50%になっており、インドなどが増えると2/3に達する可能性すらある ・ 外国人労働者受け入れに、外国農産物受け入れに反対している状況ではない          
    FTAやEPAの成果上がろう・・ 10年後東アジア経済は二国間・多国間のFTA(自由貿易協定)やEPA(経済連携協定)の交渉が決着し果実を享受し始めよう ・ EUのような連合体もおぼろげながら形になってこよう ・ どの国々で構成されるか議論が始まっている ・ ASEAN(10カ国)+日中韓+インド・豪州・ニュージーランド、環太平洋米加を含めた案まで飛び出している ・ いずれの構想も中心はASEAN10カ国であり、ASEAN自由貿易AFTAは既に1992年に発効している ・ 中国とも05年に発効、韓国ともタイを除き発効、日本とは07年に合意を目指し交渉中である ・ 日本はASEAN+6の経済統合を目指している       
   ASEANとEPA締結できたら・・ FTA(FreeTradeAgreement)は関税やサービス業務の障壁の削減・撤廃に対し、EPA(EconomicPartnershipAgreement)はFTAを核に人ものかねの移動を自由化するもの ・ ASEANとEPAを結んだ場合、日本は1.2〜2兆円のGDP拡大、15万人〜26万人の雇用増加が試算されている ・ また海外への日本企業の誘致も一層進むと見られる      
■米一極集中から混沌の時代 :     
世界経済地図の行方はどこへ・・・・・ 中国のGDPは2040年までに米国を抜くであろうといわれる ・ インドも2030年までに日本を抜いて第3位に躍り出よう ・ BRICsの一角ロシア・ブラジルも天然資源需要拡大で影響力が強まる ・ であるが米国も先進国では異例の人口増加をしており、イノベーションもあって経済大国としての地位は揺ぎ無いであろう ・ 米国の経済力あって、軍事力も揺るぎないものにできるかが1つ目のカギである 
世界への発言力・ソフトパワーは・・・・ しかし、米国はイラク戦争で世界への指導力を失った ・ 世界への発言力・ソフトパワーをどのようにして取り戻すかが、2つ目のカギになる ・ イラクの幕引きは非常に難しい ・ 欧州と中国は高感度の接触をしているが、両者が世界の指導者になる力はない ・ 米国の指導力不足が気になる
米中以外の国の勝手な動き・・・・・・・ そうした指導力減退のなか、北朝鮮やイランを機に、小国に核保有が広がっていくことが、懸念される ・ イスラム社会との文明の衝突も気になる ・ 大国が強調していく模索がこれからも続こう 
■日本は新たな国家像の明示が重要 :   
改憲論議が動き出す・・・・・・・・・・・・ @平和主義・A国民主権・B基本的人権の尊重をベースにして、「憲法9条」「知る権利」「環境権」「プライバシー権」などをどう盛り込んでいくかが焦点である ・ 憲法改正に伴うもう一つの焦点が「国と地方との役割分担」である ・ 政府は今国会で国から地方への権限委譲の基本方針を示す       
    電子投票の論議も出てきた・・・ 大きな転換点にあるにも拘わらず、選挙の投票率は低下傾向を抜け出せない ・ 政治が判断ミスを犯さないか、有権者は投票を通じて厳しく監視していく必要がある ・ 10年後の選挙は電子投票になっているかも知れない ・ 「投票への重みも薄れる」など反対意見も強く、導入には時間が掛かりそう  
日米同盟が重みを増す・・・・・・・・・・ 外交や安全保障の関係は今後大きな変化が予想される ・ 在日米軍の再編で、米陸軍第一軍団司令部が米国本土から、キャンプ座間へ移転したほか、在日米軍は「日本だけを守る軍隊ではなくなった」 ・ 北朝鮮核弾頭の不安もあるなか、同盟強化が進められる ・ 日本の憲法から武力行使をできない規制の壁があるが、米国は日本に集団的自衛権の行使を求め始めている      
    国連改革にも力点を入れる・・・ 日米同盟の強化と幅広い国々との良好な関係を両立させていくカギは、「国連中心主義」である ・ 孤立しがちな米国に助言者として、国際的発言力をもつ必要がある ・ 停滞している国連改革のリードに安全保障国入りをめざしている          
       
  
  2007年は変革の重要な年 
  
■世界動乱・どう生きる日本 :  (日本経済新聞1月15日 田勢康弘客員コラムニスト より)  
世界の指導者がこの2年に続々交代・ ブレア首相(10年経過)→ブラウン財務相(?) ・ シラク大統領→ロワイヤル元環境相(女性) ・ (仮に米国がヒラリー氏になれば、ドイツのメルケル首相と合わせて3人が女性、女性リーダーの世界になる) ・ 米国大統領・ロシア大統領も08年の11月と3月で終わりになる(ともに3選禁止の法律がある)     
    阿倍内閣は誕生したが弱い・・ 先陣を切って新しい内閣ができたが、中国外交・防衛省昇格などあるものの人気が低い ・ 首相仲良し内閣で縦の繋がりはあるが、横の繋がりがなくひ弱い ・ 国内憲法より外国へさてどう切り出して行くかの重要な年である  
■ASEANで16カ国案提唱 :  (日本経済新聞1月15日より)        
フィリピンセブ島ASEANにて・・・・・ 1月14日にASEAN首脳会議を開催 ・ 阿倍首相が提唱したインド・オーストラリア・ニュージーランドを加えた16カ国のEPA(経済連携協定)について協議し、民間レベルでの検討開始で合意した     
   日中韓とASEAN牽引で合意・・ 日中韓とASEAN10カ国(ASEAN+3)を基本とすることを確認、 ・ 貧困撲滅などで協力を加速することでも合意した          
   豪州を入れるか日中で懸案・・・・ ASEAN10+日中韓3+インド豪州ニュージーランド3で検討に入れた ・ これまで中国はASEAN+3の13カ国自由協定案を出しているが、中国主導であると知的財産権やサービスの自由化で日本の要求が通りにくくなるので日本としては共通認識のある豪州を入れた16カ国を推した ・ 13カ国より16カ国の方が、域内GDPが20兆円増加すると提唱している
   日本の農業開放が問題・・・・・・・ ASEANの本音は、日本は農業の開放が問題でAPECとの経済連携協定交渉ができていない状況において、その域を豪州へ伸ばそうというのは虫が良すぎるというところ ・ 一方中国はASEANとサービス貿易自由化などでASEANとの交渉が先行している