日本の時代再来を目指して(中) 10年先の日本の経済は社会は  
        
                  (日本経済新聞 12月1日日経創刊130周年記念特集より)   新聞特集などを分かり易く整理

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10年後の社会はどうなっている? 少子化により社会が変わる
郵貯銀行がローン・保険でメガバンク化
医療・教育ほか公共サービスが民営化
生活はインテリジェント化、投資が進む
 . 子育てに熱心な市町村に人々が集まる
株式会社大学・専門大学院始まっている
各国の少子化対策と教育改革について
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  成熟経済における10年後の社会は 
■10年先には構造改革が深化していよう :         
郵貯が変革していよう・・・・・・・・・・・・ 07年10月郵政民営化で誕生するゆうちょ銀行はローンで、かんぽ生命は医療保険で新規参入 ・ 巨大なゆうちょマネーが株式市場で存在感を高める ・ 一足先に完全民営化した前の政府系金融機関、日本政策投資銀行は地域金融機関に機能を提供し、メガバンク化する   
医療・教育ほか規制緩和が進む・・・・ 医療・教育の分野で株式会社が解禁され、地方自治体が官民どちらがよいか市場化テストを繰り返し導入していく ・ 警察を除き、殆どの分野で民間が公共サービスをするようになっていく ・ 余りに改革が進みすぎると、格差が広がるので、ゆり戻しも出ようが、これが進まないと日本経済の生産性は上がらず、低成長に苦しむことになる      
財政健全化に消費税UP待ったなし 2006年度末で国債発行残高は542兆円になる ・ 一般会計予算80兆円のうち、税収で賄えるのは50兆円程度、今でも残り30兆円は新規発行の国債に頼っている ・ 政府与党の骨太の方針では、11年度までに新規発行国債に頼らないようにする ・ このため今後5年間に、歳出増を14兆円抑制する計画だ ・ これには名目3%以上の経済成長と、5兆円の増税が必要である ・ この夏の参院選以降に増税の話がスタートする    
女性・シニアが労働力をカバー・・・・・ 10年後労働力人口は7%453万人減少する ・ それを48万人減少に留められるよう、女性・高齢者の職場復帰を促そうと見込んでいる        
            
■生活もインテリジェント化されていく :     
個人資産は貯蓄から投資へ・・・・・・・ 小学の授業、中学の受験選択科目に投資が入ってくるかもしれない ・ 現在家計の金融資産に占める株式などリスク資産の割合は15%弱 ・ これが米国では45%、英国では株式だけで20%であり、遠く及ばない ・ だが日本でもその比率は比率は一気に高まろうと見られている ・ 理由の一つは、団塊世代の退職である、彼らは退職金などで300兆円の金融資産をもっている ・ リスク資産志向が強まると見られる ・ 二つ目の理由は年金制度の改革で、加入者本人の判断で運用する確定拠出年金(日本版401K)への加入が加速することである ・ 教育にも熱が入り、全般的に高まっていこう
消費行動はネット志向・・・・・・・・・・・ ドライブ中にカーナビに料理のうまい店であるとか、好きなブランドの店がタイムセールスをしているなどの情報が表示される ・ これからは携帯端末向けの地上デジタル放送「ワンセグ」対応が進み、動画による試着などのできる実演販売が普及する見通し ・ 携帯だけでなく、家電・カーナビなどで、自分のお気に入りの情報が即座に集まる消費環境が10年後にはできていることであろう       
社会保障も選別が強まる・・・・・・・・・ 少子高齢化が進む2016年、医療・介護などは「在宅」をキーワードに再構築されよう ・ 常時 監視が必要な急性期の患者や重度のケアが必要な要介護者向けには施設が欠かせないが、その他の人は在宅で療養や介護を受けるようになろう ・ 自宅近くの診療所が24時間体制で往診してくれるようにはなるが、自宅で最期を迎える人が増えるであろう ・ 急増する社会保障のニーズに対応するには、真に弱者を見極め、医療・介護を行っていくほかない
   
  少子化により社会が変わる    
   
■自治体や企業が子育て支援 :   
小学校が老人ホームに変わる・・・・・ 2000の小学校が統廃合されスクールバスで、隣町の小学校へ通学するようになる ・ 公園や遊園地で遊ぶ子供の数よりも、高齢者の動きが目立つようになる
子育て熱心な町に人気が集まる・・・・ 地方では子育ての環境のよさを競い合う時代になる ・ 長野県下條村では家賃が周辺の半額という、若夫婦向けの村営住宅を整備、中学生までの医療費も無料にして出生率を上げた ・ そのように福祉や割安分譲住宅で少子化に歯止めをかけようとの町村が、出てきだした ・ 下條村は職員をリストラしたり、公共工事を見直ししたり努力をしている ・ 知恵と工夫の自治体だけが活力ある社会を作れるようになってくる           
仕事や育児を支援する企業増加・・・ 日本ユニシスでは、3歳未満の子供がいる社員へ、短時間勤務制度(一日最大2時間勤務時間を短縮)の導入を義務付けた ・ そのような企業は増えてきている ・ 男性への育児休業2週間などという企業もある、男性の取得率はまだ低いが(5%)、女性の取得率は72%となっている     
韓国・台湾・シンガポールは更に深刻 05年日本の出生率は1.25にまで落ち込み問題化、対策がうたれるようになったが、お隣り韓国は1.16、台湾は1.18、シンガポール1.24、香港0.93と更に日本を下回る ・ 韓国は子供の育児負担が女性に偏っているところ日本と似ており、仕事と育児の両立支援が重視されている         
  フランスは3年の育児休業義務化・ 英国・フランス・スウェーデンは出生率1.7〜1.9で、人口が急激には減らない水準にある ・ そこでフランスは国が家庭政策に力を入れている ・ 児童手当のほか、最長3年間育児休業を義務化している ・ 女性が出産休業してもキャリアに影響がでないようにもしているため、30代の就業率は20代と同じになっている
  
■学びの場は個性を競う :          
高齢者向けシニア大学院・・・・・・・・・ 東京経済大学でシニア研究生を募集している ・ 52歳以上の人が対象で学費も割安 ・ 会社経営経験者なども就学し、学究のターミナルにもなればと、大学側は期待している            
特徴ある株式会社の大学が開校・・・ 2007年開校のソフトバンクの「サイバー大学」 ・ 「世界遺産学部」と「総合IT学部」がスタートする ・ インターネットだけで授業が行われる ・ そのほかインターナショナルスクールなど、世界と勝負できる日本人づくりに向けて、幅広い層への大学教育が闊達に行われるようになってこよう      
専門職大学院が増えてこよう・・・・・・ 06年私立大学の4割は定員割れである ・ 07年には大学を選ばなければ、大学全入の時代になる ・ これからの大学は個性がこれまで以上に問われよう ・ 専門職大学院の開校が各所で活発化している ・ 法科大学院をはじめ、MBA(経営学修士)、MOT(技術経営)、公共政策、会計、教員、助産、ファッション、映画制作など、プロを養成する大学がつぎつぎに誕生している  
高校もスーパー化・・・・・・・・・・・・・・ 高校や小中学校も多様化が進む ・ 英語や理数に力を入れるスーパー高校が既に200校誕生している ・ 中高一貫教育は私立だけであったが、公立にも取り入れられるようになってきている ・ 学費の安い公立校にも特徴ある一貫教育が取り入れ始まった       
各国も教育に熱心・・・・・・・・・・・・・・ 米国では83年教育に関する報告書「危機に立つ国家」を発表、チャータースクール(公設民営学校で定期的評価で、評価が上がらないと認可が取り消される)などが設置された ・ 英国でも88年サッチャー政権下で教育改革法が成立、全国統一学力テストなどで成績の悪い学校は教員が入れ替えや廃校を命じられるようになった ・ 韓国でも飛び級、飛び入学を導入するなど、各国も教育改革には熱心に取り組んでいる
   
  リンク集   
公共サービスの民営化・・・・・・・・・・・ 郵貯の将来像(日本総研) ・ 郵政民営化監視市民ネット ・ 公共サービス市場化テストへの期待     
少子化対策・教育改革・・・・・・・・・・・ 生き生き健康・少子化関連ニュース ・ 少子化の問題を考える ・ 東京経済大学シニア大学院 ・ 専門職大学各所で開校