ボケ(認知症)は防げる ・ 80過ぎれば4人に1人が発病 
        
                  朝日新聞10月21日・11月6日ほか

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認 知 症 の 種 類 と 症 状 ・ 予 防 法  
ケアで進行防止
認知症の発症割合(4人に1人)
認知症のケア年数は平均で8年
認知症の初期症状 ・早期治療
 . アルツハイマー型の特徴と症状
レビー小体型認知症の特徴・症状
脳血管性認知症の特徴と症状
 . 認知症には罹らない
認知症らしいと思ったら
リンク集
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  認知症の種類と症状     
■認知症の発症割合 :   (認知症介護研究・研修東京センター長:長谷川和夫マリアンナ医科大名誉教授講演より) 
認知症発症は4人に1人の割合・・ 認知症(痴呆症・ボケ)にかかる割合は、65歳以上で6〜7%、80歳代では4〜5人に1人と云われている ・ 全国で200万人である ・ 遺伝的な影響は少ないようだが ・ 認知症は誰にでも起こりうる病気であり他人事ではない     
   認知症の種類別での割合・・ @アルツハイマー型:50% ・ A脳血管性認知症:30% ・ Bレビー小体症:10% ・ Cその他(栄養障害・脳炎・エイズ・高膜下血腫):10%   
認知症ケア年数は長く大変・・・・・ アルツハイマー罹病後、徐々に進行し、重度になるまでに平均8年も掛かっている ・ 認知症の経過は,長期間なので、周囲のケアーが大変 ・ 軽度のうちに進行しないように処置をすることが大切  
               
■認知症の症状 :          
初期症状で見つけ手をうつ・・・・・ @おなじことを言ったり聞いたりする      「あなたの健康百科」より
A人・物の名前が出てこなくなった
B置き忘れや仕舞い忘れが目立つ
C以前あった関心に興味をもてない
D日課をしない、だらしなくなった
E時間や場所の感覚が不確かになる
F慣れているところで道に迷った
G計算の間違えが多くなった
Hささやかなことで怒りっぽくなった
I蛇口やガス栓の締め忘れが目立つ      
   早い発見、進行がとまる・・・・ 高齢者の認知症には、脳血管性とアルツハイマー型が多い ・ このような病気では、早期に治療すればぼけのような症状の進行を遅らせることができる ・ アルツハイマー型には、進行を止める薬があるし、また、周囲の人たちの接し方などでも、症状を改善できる
しかし気付いても、年のせいにしたり、受診に気がひけたりで、初期段階で受診する者1割、2年も経って受診する者7割という状況である      
認知症の種類別での特徴   (朝日新聞10月21日より)       
   アルツハイマー型認知症・・ 記憶障害(健忘症・物忘れがひどくなる・物忘れを自覚できない)
見当識障害(日時・場所・人が分からなくなる)
判断力の低下(考える力・理解する力・計算ができなくなる)
意欲を失う・感情が乏しくなる
神経症状はまれ
女性に多い     
      症状・・・・・・・・・・・・・・・・ 脳の記憶をつかさどる海馬が萎縮していく ・ 下記の場合要注意
@何度も同じことをいう・聞く  A大切なものをよくなくす  B火の消し忘れが多い  C今何月かどこにいるのか見当がつかない  D買い物で大きなお金ばかりだし、つり銭が増える  E今まで興味あったものに関心がなくなる
    レビー小体型認知症・・・・・・ 見当識障害はアルツハイマー型よりは軽い
抑うつ(気分が落ち込む)
幻視、妄想などが現れる(ありえないことを信じ込む)
認知機能の変動・パーキンソン症状を伴うことが多い
男性に多い      
      症状・・・・・・・・・・・・・・・・ @認知機能の変動では、はっきりしているときとぼーっとしているときの変動がある  A例えば、側のひとがじーっと自分を見ているとの幻視がある  Bパーキンソン症状では、筋肉が硬くなって歩行速度が遅くなったり、動作が遅くなったりする (パーキンソン病のほとんどが、このレビー小体型認知症だと最近分かってきた)  C寝ている最中に暴れたり配偶者を起こしたりする
    脳血管性認知症の場合・・・ 低下する脳の機能にバラツキがある
自分が病気であるという認識はある
感情のコントロールができなくなる
運動・感覚障害を伴うことが多い
男性に多い   
      飲むのは程ほどがよい・ 脳梗塞や脳溢血が原因で発症する ・ 気付かないうちに、複数の梗塞ができ徐々に進行するものもある ・ アルツハイマー型を併発している場合もある
生活習慣病予防への配慮から、この症状は以前に比べ減ってきている ・ 適度な酒は、脳血管性やアルツハイマー型認知症への率を下げるとの報告もあるが、飲みすぎが危険因子なのは間違えないので、ほどほどに注意するのがよい
      脳梗塞の前触れ症状・・ 一過性健忘(今聞いたこと、したことを思い出せない) ・ めまい(立っていられない) ・ 視覚視野障害(どちらかの目が突然見えづらくなる) ・ 言語障害(ろれつが回らなくなる) ・ 嚥下障害(飲食物をうまく飲み込めなくなる) ・ 運動麻痺(左右どちらかの手、足がいうことを効かなくなる) ・ 感覚障害(手足や顔がしびれたり、熱さ痛みの感覚がなくなる) ・ ふらつき(歩くときにバランスがとれない)  このような症状は数分で消えてしまっても、前触れの可能性があります     
認知症と物忘れの違い・・・・・・・・・ 健常者の物忘れ==> (体験の一部のみを忘れる・また思い出すことができる)
認知症患者の物忘れ==> (体験全体を忘れるので、思い出すことが困難)     
         
            
  認知症の予防 と 発症してもケアで進行防止     
   
■認知症には罹らない : (長谷川和夫センター長談 ・ 小阪憲司横浜市立大名誉教授談)  
認知症への危険因子・・・・・・・・・・ 高血圧・高脂血症・肥満・糖尿病 ・ 過脂肪食・高カロリー食 ・ 運動不足・喫煙 ・ ひきこもり・うつ        
    認知症を緩和できる因子・・ 運動 ・ 食事(魚:特にひかり魚・果物・野菜) ・ 対人交流 ・ 文章を読む ・ 文章を書く ・ ゲームをする・リラックスする ・ (パソコンをする・情報集め・情報まとめ:認知症ケア団体の歌詞より)   
    人生前向きに考えること・・ 「年をとることは素晴らしいこと ・ 過去の記憶や知識を味わいつつ、毎日新しい刺激を受け、また新しいものを出していく ・ これぞ神様から贈られた貴重なものと思うこと」長谷川談     
認知症になる前に早く対応を・・・・ 軽度の認知症(MCI)が今注目されています ・ 認知症になる前に対応・介入すれば助かるからです ・ もの忘れが多くなっているのに気付いているが、日常生活に支障がないのでまだ認知症ではない状態です ・ ですが半年もするとその50%は認知症になるという段階です   
    早い段階で病院へ行く・・・・ どのような治療薬があるのか:アルツハイマー型では「アリセプト」が症状の進行を停めてくれます ・ 5年先にはアルツハイマーウィルスに効くワクチンが一般利用できるようになると言われています           
    予防の3ヶ条・・・・・・・・・・・・ @生活習慣病の予防 ・ A適度な運動とバランスのとれた食生活 ・ B脳の活性化を行う  
ボケるタイプは決まっている・・・・・ @趣味が殆どない A生きがいと呼べるものがない B人とのコミュニケーションが乏しい Cスポーツなどやらないし、散歩などで体を動かすこともしない (桐書房:高槻絹子著「ボケません・私の老後」より) 
   ボケ難い人はその正反対・・・ @豊かな趣味、夢中で打ち込めるものをもっている A野の花を見つけただけで気持ちが和み、毎日が楽しい B友達、仲間、付き合っている人が沢山いる C散歩、庭いじり、手芸、なんでもいいから体をこまめに動かしている 
   ボケない工夫を・・・・・・・・・・・ @生きがいのある積極生活(音楽・絵画・ゲーム・短歌俳句・家畜・株競馬など、茶道華道書道、刺繍織物編物手芸、園芸盆栽野菜づくり、旅行湯治、お経写経、日曜大工、陶磁器彫刻などなど)  A付き合いを大切に(異性との交際・年齢の違う友達づくりも)  B毎日一定の仕事を欠かさずにする(趣味のものでも、目標をもってする)  C定期的に体を動かす(スポーツ・散歩)  D日記をつける(文章を書くことを習慣にできるとよい・毎日の感動を俳句にするのもよい)
■認知症らしいと思ったら :    (朝日新聞10月21日・11月6日より)             
認知症で早く受診できた例・・・・・・ 例:朝起きたときに片方の手が動かない → その症状は2時間ほどでなくなり、病院で調べたら一過性の虚血症とのことでした → 1ヶ月通院しましたところで、妻から物忘れが出るようになったと病院へ連絡 → 今度はアルツハイマーと診断 → 病院で処置・周囲(家庭・スーパーなど)も対応へ ・・・・・ 早く受診・対応ができた例である     
まず自治体窓口で相談すること・ おかしいと思ったら自治体の相談窓口へ行きましょう ・ 介護保険は利用者が申請しないと使えませんが、その申請もケアマネージャーが代行してくれます ・ ケアマネージャーの紹介も自治体相談窓口でしてもらえます  
家族と感情を共有すること・・・・・・ 患者の感情、行動の変化を細かに分かるのは周囲の家族、家族からの医者への説明が大切 ・ 認知症初期段階の患者は自分の将来が心配、医者からの説明、図書による説明では満たされない、周囲・配偶者の励ましが大切 ・ 患者自身から分からないこと発信できたら、周囲が聞き出せたら、それへの診断にも役立つ     
■リンク集 :       
   発病対策・・・・・・・・・・・・・・・・  認知症予防対策(東京都老人総合研究所) ・ 脳リハビリセンター ・ 新しい認知症治療 ・ 認知症治療に希望の光  ・ 認知症の治療とケア ・ 聖マリアンナ大学病院・認知症治療研究センター   
   家族看護・・・・・・・・・・・・・・・・ 認知症の人と家族の会 ・ 認知症介護情報ネットワーク ・ 東京都認知症支援事業 ・  ・ 練馬区の認知症予防対策 ・ 認知症患者を支える家族の会(東京都)   
   ケアマネージャー・・・・・・・・・ 認知症ケア学会(認定試験) ・ 全国認知症グループホーム ・ 認知症ケア関連サイト ・ 認知症高齢者に必要なサービスを考える