世界経済中国が先導、建国60周年とこれからの中国 
                ( 日本経済新聞10月1日ほかより )

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次の飛躍に向けて  
建国60周年と中国
世界最大の経済大国へ
 52兆円財政出動で世界へ貢献
 中国これからの発展への壁
 . 東アジアへとの交流加速
 中台関係改善と課題
 ASEAN投資30%増
 . 胡錦涛政権の正当化
ブログ、掲示板の規制
軍事パレードの公開
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  次の飛躍に向けて    (日本経済新聞)  
■世界最大の経済大国へ躍進 :  ( 日本経済新聞10月1日ほかより ) 
52兆円財政出動で世界に貢献・・ 今世界経済は中国の経済発展を頼みにしている ・ リーマンショック後中国はいち早く積極的な財政政策を打ち出した ・ 2年で52兆円という大規模な財政出動はインフラ投資の余地の大きな中国には効果的であった ・ G20、20カ国グローバルケインズ主義による国際協調での先導役を担った ・ 本年1月のダボス会議で温家宝首相は2009年8%成長を公約した
   中国は多極化波にのり発展・ 世界でのグローバル化は多極化をもたらし、単一ユーロを創造し、中国を先頭にBricsなど多極化が加速している ・ 中国経済の発展はこのグローバル化、多極化の波にのった面が大きい ・ ケ小平後の改革開放路線による社会主義下の市場経済で、低賃金を武器に「世界の工場」になり発展 ・ 中国の経常収支の黒字がGDPの10%にまでになっており、10年後にには中国は米国を抜いて世界最大の経済大国になる観測も現実味を帯びてきている
   これからの中国発展への壁・ @世界最大の温暖化ガス排出国であること ・ A為替管理フロートからの脱却 ・ B中国国内での格差の拡大 ・ C中国の軍備縮小による東アジアとの連携強化   
巨額外貨準備で国際金融主導・・ 外貨準備額は2006年2月に日本を抜いて世界1位になり、2009年6月には2兆ドルになって、今や国際金融市場での主導権を握ろうとしている ・ 中国の外貨準備が急増するきっかけは、01年のWTOへの加盟である ・ 中国は自由貿易体制に本格参入した後も、対ドル相場を低めに維持し輸出を増やす発展政策を変えなかった ・ ドル買いが続き、ドルが外貨準備として積み上がり、それを運用するために米国債を購入した       
   世界は中国の動きに神経・・・ 中国が仮に米国債の購入をやめたら、米国は景気対策の実施に必要な資金を手当てするのが難しくなる ・ ドル中心の運用が直ちに変ると予想する市場関係者は少ないが、中国政府は外貨準備を原油などの資源や金の購入に充てる案を検討している ・ 市場は中国の一挙手一投足に注目、中国の発言に神経を尖らせている
中台関係強化への正念場・・・・・・ 台湾で馬英九総統が就任した08年5月以降、中台関係は急速に改善してきている ・ 中国が長く求めてきた「三通」(直接の通航、通商、通信)がすでに実現し、関税撤廃を軸とした経済協定が目先の焦点となった ・ 金融機関の相互進出実現への合意、中国企業の対台湾直接投資解禁でも合意し、全体の1/4にあたる100分野で投資が可能になった      
   政治的緊張や経済衝突・・・・ ただ、関係改善の中で、政治的に緊張する場面や経済面での利害衝突も起こっている   
       
■対アセアン経済交流を加速 : (日本経済新聞10月24日より)  
   温家宝首相の発言・・・・・・・・ 10月24日、東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会談で中国の温家宝首相はASEANとの経済連携を強化する方針を打ち出した ・ 中国とASEANとのFTA(自由貿易協定)に加え、来年1月には投資協定も発効する ・ また自由貿易圏開設に備えての投資や貿易、旅行、人材交流など双方の経済交流をさらに加速させるための支援組織「ASEAN中国センター」を開設する覚書に署名した    
   今後ASEANへ投資30%増・ 中国は今後3〜5年間でASEANへ1500億ドル融資する計画であり、タイなどでは60%の投資額増加としている ・ 今後ASEANへの影響力めぐりで、日本との主導権争いが一段と熱をおびていくことは必至    
        
■次の飛躍に向けて : (日本経済新聞9月11日〜9月13日より)  
東アジア連携がカギに・・・・・・・・・ 中国は建国60周年を10月1日に迎えた ・ 中国政府から日中歴史共同研究の発表日の喧惑回避のための延期、日中韓首脳会談開催の要請、ASEAN会議での東アジア問題交渉などへの要請が届けられた ・ オバマ米大統領の11月日本訪問の前に、鳩山政権の対米関係が固まる前に、日本を取り込むねらいだ     
   チームアジアが米国を支援・ アジア重視は東アジア経済実態からみても絶妙なタイミング ・ 東アジアにはさまざまな産業で複数の地域・企業が役割りを分担しなあがらモノをつくる「チームアジア」とでもいう分業体制がある(薄型テレビなどでは、日本が製造装置や素材をつくり、韓国が電子デバイスを生産、中国で組立て、韓国台湾の部品メーカが中国で事業拡大するなど) ・ 中国と日本が米国国債の大半をもっており、かつチームアジアが貿易で得たマネーが金融市場で傷ついた米国へ更に流れ込み、米国の景気回復を支える ・ 米国と東アジアは相互依存関係を深めている、     
   だが、アジア結束には課題・・ 中国の国防費は21年連続増加し世界第2位の軍事大国 ・ 東南アジア、インドでは対中の警戒感は消えない ・ 日本・韓国とも領土や食、北朝鮮問題での不協和音が絶えない ・ 米国と東アジアの"G2”がともに栄えるには域内での対立を抑える努力が欠かせない   
省エネなければ成長に壁・・・・・・・ 中国の資源戦略がつまづきだした ・ 中国の非鉄大手2社が豪州資源会社との、企業買収、鉱山買収の話をしていたが、豪州政府はいずれも認可しなかった ・ イラクでも油田入札で中国の参加を認めなかった ・ 中国が今後10%の高度成長を保つには、世界の資源の30%を消費することになる(米モルガンスタンレー報告)
   中国政府も認知・・・・・・・・・・ 第11次五ヵ年計画(2006〜2010)では20%のエネルギー削減を目指すとしている ・ だが実績は1〜4%の削減に留まっている ・ 電池製造会社などへの投資も盛んに行われるようになったが、これからの成長を支えるのは資源の節約に取り組む企業であり、それへの投資家の育てる目が大切になっている    
民族対立に潜む活力・・・・・・・・・・ 新彊ウィグル自治区で土地のイスラム・ウィグル族と漢族の衝突が続いたが、世界12億人のイスラム市場をにらんで急成長している企業がある ・ ウィうぐる人の健康食品会社で新彊アルマン実業、地元産の豆・クルミ・クコの実などで生活習慣病を予防すると製造、トルコ・エジプト・アラブ首長国連邦んどイスラム諸国へ輸出している        
   自治区は中国全土の3割・・・ 中国には自治区などに55の民族が生活している ・ 特に新彊ウィイグル自治区とチベット自治区の面積は広く中国全土の3割にもなる ・ またこれらの地域はロシア、インドと向き合う要衝である           
   格差が縮まらない・・・・・・・・・ 一人当たりのGDPは上海が7万元(約100万円)だが、新彊が2万元弱、チベットは1万4000元と隔たりがある ・ 漢族を除く少数民族だけだと格差はさらに広がる ・ 少数民族の人口比率は2005年で9.4%であるが、今後も上昇が続く、対応を誤れば共産党政権の致命傷となる  
              
  建国60周年で返りみる中国    (朝日新聞より)     
      
■胡錦涛政権を正当化 :  (朝日新聞10月2日より)        
お祝いパレードで胡錦涛主席・・・ 北京で10月1日に中国60周年記念式典が開かれ、18万人を動員したパレードが天安門広場で行われた ・ 60年前のこの日、「中国国民は100年にわたった奮戦を経て中国革命の偉大な勝利を勝ち取った」と胡錦涛国家主席は演説 ・ 「奮闘と創業(毛沢東)」「改革開放(ケ小平)」「世紀の飛躍(江沢民)」「科学的発展(胡錦涛)とのスローガンを添えた
建国発展に焦点をあてた訳・・・・・ 胡錦涛が改革開放を手放しでたたえず、建国60周年の発展ぶりに焦点をあてたのには訳がある ・ 現在9%の経済高度成長を維持しているが、その路線は格差の拡大や党幹部の腐敗を助長してきた ・ 社会の安定のためには平等社会の理想を目指した毛沢東時代を重んじる姿勢をみせる必要があった            
   団結した人民は強いと演説・ この政治休戦の式典は、慶事だけのものであり、胡錦涛主席は演説でこう語った ・ 「歴史は前進の途上が順風満帆であったこはない、だが自らの運命を掌握し団結した人民は、困難に打ち勝ち歴史の偉業を作り出す」と
ブログ、掲示板も規制・・・・・・・・・・ 当局が警戒しているのが、国内3億人のユーザを抱えるインターネットだ ・ 各ニュースサイトでは、トップページから有名評論家や記者のブログがあり、役人の不正告発や報道規制されている事件の実況中継をするなどでアクセスが数千万件になるなどしている ・ 最近これにメスが入り、@トップページの配置は当局に従うこと、A独自の取材はせず新華社の原稿を使うこと、B中国誕生の慶祝ロゴをトップページに入れること、など指令した    
   ブログ、掲示板アクセス規制・ さらにブログや掲示板をアクセスする際には、名前や身分証明書番号を入れることにまでしている ・ 活動のしめつけも9月頃から本格化している ・ 政府に批判的な弁護士や学者らへの尾行や家宅捜索が行われたり、仲間まで尾行がつくようになった ・ ブログのアクセス数も1/100に激減したと嘆くサイトもある       
                   
■10年ぶりの軍事パレード :         
装備の近代化どこまで公開・・・・・ 50年代後農工業の飛躍的増産をめざす「大躍進運動」が行き詰まり国民経済が困窮し、半数千万人とも言われる餓死者がでた ・ このため60年9月「軍事パレード」は10年ごとの節目に行うと決めた ・ しばらくパレードはなかったが、ケ小平の呼びかけで84年に25年ぶりの軍事パレードを実施した
   10年ぶりのパレード・・・・・・・ 建国60周年を迎えての今回の軍事パレードは、建国50周年の前回から10年ぶり、14回目である   
リンク集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 中国軍事パレード