応援しよう日本の農業力 (成長産業への芽吹き) 
                ( 日本経済新聞8月4日〜 より )

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各国の状況   掘り出せ日本の強み
売れるものを作る農業へ
人口90億人食料飢饉へ
食料自給率重要になる
各国輸出制限・商機と起業
 . 積極経営が成功している
ユーザ視点と売るところまで
年73000人新規就農者大切に
 . 市場、環境変化に敏感たれ
耕作放棄地借用でも儲けへ
外国で指導・耕作し逆輸入
     特集記事のバックナンバー:       掲示板 (チョット関連の話題ありませんか) 


■各国が食料危機に目覚め動き出す :   
アジアでは農業輸出規制強化・ 中国政府は「食料自給率95%を死守せよ」との大号令のもと、長期計画が動き出している ・ 08年に小麦やコメが2〜3倍に高騰したが、それ以来インドは小麦を、バングラデシュはコメの輸出を禁止している ・ 11カ国が規制強化している ・ 2050年には人口が90億人になり、食料生産は今より7割増やさなければと予測される ・ アジアが輸出拒否に走ると日本は食料の輸入が苦しくなってこよう ・ 農業再生に向けて課題解決にまっさきに取り組まねば食料という国の根幹が揺らいでしまう ・ 改革まったなしである
   食料逼迫の時代へ・商機・・・ 食料逼迫は、商機でもあり、米国はじめ手早く動いているところもある ・ 米国ではバイオテクノロジーを使っての害虫に強く、収穫量も増えるというトウモロコシなどを販売、増産している
日本も民間企業で挑戦始まる・・・ 三菱化学は水資源の乏しいアフリカなどへ食料輸入のための農地を農地をと、太陽電池で発光ダイオードを照らし、野菜などを年12毛作できる工場を売り込む ・ また日本での米国の企業だが、バナナで有名なドール・フード・カンパニーは北海道から長崎までの6箇所の日本法人と組んで、大規模なブロッコリー生産をしている  
   補助金なしで米生産が目標・ 三井物産ではつくばの農業食品研究機構から多収性イネの原種種子を譲り受けて、全国数箇所の圃場で栽培試験を始めている ・ トウモロコシなどの価格上昇で畜産業界での調達が苦しくなっているが、コメ、イネの商業生産ができるようにすることを目標に進めている ・ 国の腰が重い中、企業の挑戦が始まっている      
■日本のコメ離れと食料自給率の低下 :          
日本人はコメを食べなくなった・・・ コメのひとり当たりに年間消費量は、1970年当時100Kgであったのが、2007年には61Kgと、現在も減り続けている ・ 茶碗1杯を60gと計算すると、一日5杯であったのが3杯弱になったことになる     
   肉、卵黄、乳製品が増加・・・ 一方増え続けているのが、肉類や卵黄、牛乳、乳製品などの合計になる畜産物である ・ 76年にコメの消費量を抜き、今や2.3倍になっている ・ 中でも牛肉の消費量は4倍に増えた ・ 200gのステーキを一人当たり年間28枚も食べている勘定になる      
食料自給率:日本ダントツに低い 日本の食糧自給率は1960年代前半70%あったものが、2007年にはカロリーベースで40%にまで低下した ・ 海外ではオーストラリアが237%、米国、フランス、カナダも100%を越えており、英国、ドイツも70%以上と日本を大きく上回っている 
   衆院選マニフェストにあるが・ こうした状況で、自民党・民主党の衆院選マニフェストに食料自給率の50%への引き上げが盛り込まれているが、一旦落ちた自給率を回復させるのは容易ではない ・ 英国は45%から70%へ引き上げるのに20年かかった ・ 消費者のニーズ、生産、流通など多面的な対策が求められる     
       
■掘り出せ!日本の強みを :   
日本農業の縮小が止まらない・・・ 減反で農地は減る ・ この50年で農地面積は岩手県の広さのものがなくなり、、農業就業人口は1/5にまで縮小した ・ しかもこの先10年後には6割が75歳以上になり産業の体を為さなくなるという        
   農業生産量3割減少・・・・・・・ 結果、農業の総産出額は8兆円で、1984年がピークであったが、このときから25年で30%も減少した    
積極経営も生まれ始めている・・・ 縮小の目立つ日本の農業であるが、高い品質や技術を武器に海外市場へ打って出たり、食品加工業まで流れで効率化するなど、積極経営へ乗り出すところも徐々にではあるが、出てきている        
   安全、安心に向け、チャンス・ 今ぞチャンスととらえ、農業へ参入する企業もある ・ 世界には需要があるのに供給体制が縮小しているのが日本の農業である ・ 積極政策をとれば、引き出せる潜在力はかしこにある           
    
■ユーザ視点での商品開発が実を結ぶ :            
新規就農希望者は多いのだが・・ 日本の農業は就業者数(8割減)、耕作面積(3割減)と衰退しているが、一方新たに就業する人は約73000人(2007年)で、この年公務員になった人の数とほぼ同じである ・ 従来農業就業者の大半は農家の跡継ぎであったが、今では就農者の9割が新規就農を志す人になっている
   成功には工夫・努力が必要・ 若い農業者の活動を伝える季刊誌「アグリズム」(若者向けの農業本)が7月に創刊されたが、成功への道のりは厳しく報じられている ・ これまでの「作っておいて買いを待つ」のではダメで、常識を非常識に変える挑戦がなければ成功しない」としている  
   農業の学校・・・・・・・・・・・・・・ NPO「農業の学校」サラダボウルでは、熱意をもつ若手農家の情報を発信 ・ また研修では事業計画書の作成や販売戦略の立案など重点的にさせるとしている ・ 単なる農作業だけでは難しい ・ 作るだけでは成り立たない、加工して販売して消費者に届けるまでが農業である ・ そこに気づいたものが成功する    
              
売れるものを作る農業 :           
海外にも着目・・・・・・・・・・・・・・・・・ 千葉県香取市の和郷園では、タイからの研修生が8人この12月に卒業する ・ 彼らは帰国後和郷園がタイで運営する農場で、無農薬栽培や生産履歴のやり方などの指導する予定 ・ タイで高品質の農産物を作り逆輸入する  
市場や環境変化に敏感・・・・・・・・ 売上げ不振にあえいだ佐渡のコメだが、「トキ米」が農家の意識を変えた ・ 天然記念物トキのえさとなる蛙やどじょうが生息できるよう農薬を減らした水田を作ったが、そこで作るコメが価格は高いものの、昨年はイトーヨーカ堂をとおし大量に販売できた ・ 安心、安全の視点から請けている 
耕作放棄地借用で儲ける企業・・・ 耕作放棄地再生による農業活性化と資源循環サイクルへの取組みをサポート:クボタ    
              
   リンク集・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 農業を始めたい人を応援します(農水省) ・ 新農業人を応援します ・ 就農支援(例:群馬県) ・ 就農支援(例:山梨県)        
       
■各党のマニフェスト :              
農業改革への具体策がない・・・・・ 原則として現在の生産調整(減反)を続ける自民党に対し、民主党は「戸別所得補償制度」 ・ コメなどの農家を対象に、全国平均の生産費と販売価格の差をもとに補填する ・ 新たに参入した企業をどう育てるかといった視点は両党にない          
   この補填金では活力でない・ 日本の農業補填金は49%にものぼり、欧州の27%、米国の10%に比べると高い ・ やむをえない面もあるが、「補填金漬け」は農業の成長力を阻む恐れもある ・ 政府補填に頼らず、農産物を作れるか、自助努力が必要である            
自由貿易協定(FTA)・・・・・・・・・・ 民主党は米国とのFTA締結について、コメなど主要作物は交渉から除外するとしている ・ 農家の経営の自由度を高め、創意工夫を促すには将来自由化は必要である