次の10年へ(未来を読む)その2・・・Brics、新興国、日本の地方 
                ( 日本経済新聞1月1日より )

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Brics、新興国が活発化 地方発のエネルギーが活発化
Bricsは成長を続ける
 いつBricsは跳ねるか
新興国が素材の供給基地に
 . 地方主権へ行動のとき
観光立国こそがわが町の顔
町ぐるみアートで賑わう
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  Brics、新興国が活発化    (日本経済新聞1月1日より)  
■Bricsは成長をし続ける :   
Bricsの経済はいつ跳ねるか・・・・・ 人口の多いパワーを背景に新興国の経済成長が続いている ・ これからの10年世界経済はどのように塗り変わるであろうか ・ 中国の人民元が変動相場制になり、人民元が強くなり中国が益々高度成長へとなるのではとの予測もあるがいつになろうか
   IMFの予測・・・・・・・・・・・・・・・ 国際通貨基金(IMF)は2014年までの各国のGDPの見通しを公表しているが、それによると今後10年間でBricsのGDPの伸びは2.2倍に増加する ・ 新興国を加えてのG20のメンバーでのGDPシェアは30%へ、全世界でのGDPシェアは20%になると見られている
   ゴールドマンサックス予測・・・ GSの調査チームの予測はもっと強気で、 2018年には BricsのGDP>米国のGDP、 2027年には 中国のGDP>米国のGDP、 2032年には BricsのGDP>先進7カ国のGDP と見ている 
増える人口が強み・・・・・・・・・・・・・ 新興国の経済成長の最大の源泉は増え続ける人口である ・ 国連人口推計によると、今後10年間でBricsの人口は8.2%増加する(G7は4.4%) ・ 人口増が消費を伸ばし、インフラ整備などで投資も増加する    
   ブラジル・インドが有利・・・・・ 高齢者こどもの数よりも、働き手の数の方が2倍以上と多い「人口ボーナス期」に入ると、経済成長が加速するという経済則があるので、上記のような予測がされる ・ ただ中国は2010年にひとりっこ政策のため、「人口ボーナス期」がピークを迎える ・ そのような点からみると、ブラジルやインドの方が有望との見方もある   
膨らむ新興国の株式・・・・・・・・・・・ 経済勢力図の変化は世界の株式市場にも表れそうである ・ 株式の時価総額の比率は米国が圧倒的に多く42%、次いで日本が9%強、中国が2%、Brics合計で6%となっている ・ 時価総額の増加は新たな株式の発行などを通じて企業の資金調達力につながり、企業の投資を促進する ・ 中国の企業が欧米の企業を買収するという案件、資源などを中心に始まりつつある     
   日本の株式投資にも期待・・・ 日本の団塊ジュニアが40代になりつつある ・ 彼らが50代まで貯蓄意欲が高く、とりわけ株式投資へ振り向けるであろうとみられる ・ 2010年ごろから日本の株式市場を押し上げる一要因にもなるであろうともみられている   
       
■新興国が素材の供給基地に :   
紙や鉄鋼は中国から・・・・・・・・・・ 2010年代中国では新興国の需要をバックに、紙や鉄鋼の設備投資が加速する ・ インドネシア系のAPP社が大型の設備稼働を計画しているほか、日本勢も王子製紙が大規模な製紙設備を立ち上げる ・ 08年に、紙・板紙生産量は既に米国を抜き世界首位になっている       
   セメント・鉄鋼は中国が独占・ 07年において中国のセメント生産量は日本の約19倍 ・ 中国は人口増加の上、内陸部のインフラ整備が遅れておりセメント需要はまだまだ大きい ・ インドも中国を追撃している ・ 人口一人当たりのセメント消費量がインドは低く、今後伸びる可能性をもっている     
  鉄鋼産業はインドも成長・・・・・ 鉄鋼産業もインドは成長中である ・ 世界で3位の米国とほぼ並び、世界第2位の日本を10年代には超えよう ・ 韓国も現代製鉄、ポスコなど鉄鋼大手が新設備を稼動させている         
石油化学製品は中東から・・・・・・ 09年11月住友化学の共同出資会社アラムコ社(サウジアラビア)が世界最大級の石油プラントを稼動開始した ・ 中東ではカタールやイランでも石化プラントの新増設が目白押しである ・ 韓国からも合成樹脂の原料用ポリエチレンの売り込みが激しくなっている ・ 日本製品に比べ価格は安く、品質もひけをとらない       
     
     
  地方発のエネルギーが活発化       
              
■地方主権へ行動のとき :           
鳩山政権「地域主権戦略会議」・・ 1993年の国会で地方分権推進決議が可決し、それから17年が経過した ・ 2010年から分権への取組みは新たなステージに入る ・ 鳩山政権では一丁目一番地と位置付け「地域主権戦略会議」を新設し、国が地方の仕事を縛る「義務付け・枠付け」の撤廃など、規制見直しや権限委譲を進める ・ 鳩山首相を議長に政治主導で取り組むことで、官僚や族議員の抵抗を排して、地域主権の実現を目指すとしている  
   地方分権の目的と状況・・・・・ 住民に近いところに権限や財源を移し、地域のニーズにあったサービスを提供できる仕組みをつくることである ・ 住民自らが地域経営に参画し、サービスと負担の水準を決めることが未来像である ・ その兆しは全国で生まれつつある 
     例1:蔵王の川西町・・・・・ 学童クラブ、スポーツ施設、介護施設などをNPO法人が運営しており、同地区の全世帯750世帯が参画している    
    例2:鹿児島の柳谷地区・・・ 地元中学校と連携して「芸術教室」を開いた ・ 講師料や材料費は同地区で負担 ・ 住民が栽培するサツマイモでのオリジナル焼酎の製造・販売で年400万円の利益を生み出し充てている    
■観光立国こそがわが町の顔 :          
集客に創意工夫・・・・・・・・・・・・・・ 外から人とカネを呼び込める観光は、地方都市の未来を開くカギである ・ 政府も観光立国推進本部を設置して、羽田空港の機能強化で地方の支援を目指すとしている
   日本の観光産業はこれから 08年の訪日外国人数は835万人、09年中国人向け観光ビザが解禁され、また政府が発給用件緩和を検討するなどしており将来は明るいが、年8千万人を集めるフランスを筆頭に日本は28位と寂しい状況にある ・ だから発展の余地はある分野である ・ 富士山、阿蘇、京都、北海道へ集客させる工夫(国の通貨利用、言葉がつかえるサービス、各地域をパックで回れるサービスほか)がなされている   
羽田のハブ化に脚光・・・・・・・・ 韓国の仁川空港は日本の26都市(世界へは101都市)と結ぶ日本、世界へのハブ空港になっている ・ 東京は国際線と国内線が成田と羽田に分かれていることでハブ空港の役割りを果たせず、仁川に奪われている ・ 成田で乗り継げる国内線は中部国際、大阪(伊丹)など8路線のみ
   羽田が国際便化すれば・・・・ 羽田が世界各都市と結べば多彩な外国人向け観光も可能になる ・ 羽田の第4滑走路がこの10月開通すれば年間発着枠が30万回から41万回に増え、旅行業界の期待も膨らむ    
   課題は国内線料金・・・・・・・・ 海外では乗り継ぎの国内線料金が4000円〜5000円というところもあるが、日本では数万円と掛かってしまう ・ 着陸料金が高すぎることにも問題がある ・ 北海道、鳥取へのアジアからの環境客多いが、乗り継ぎ、料金などが不便だといわれている          
■街ぐるみアートで賑わう :         
アートで観光客を呼び寄せよう・・・ 2010年代の幕開けに、大規模な現代美術の祭典が全国各地で開かれる ・ 高齢化、過疎化が進む地方で、アートは若い観光客を呼び込み、街を活気付かせる切り札になるのか期待が寄せられている
   香川県直島(アートの島)・・・ この小島に2009年7月ある有名画家の裸婦画のある銭湯がオープンした ・ それと浴場内には象の置物が鎮座しており、番台や掃除の係員などが親切に対応してくれる ・ 安藤忠雄の地中博物館もオープンして、年間観光客数が1万人から34万人へと増えた ・ 一過性で終らせることなく芸術と観光の呼び寄せ、各地ではじまっている 
自治体も経済効果に関心・・・・・・・ 現代美術の大規模なイベントである地域芸術祭がここ10年、国内各地であいついでいる ・ 大勢の観客を集め、地域の経済効果にも波及している ・ 世界では1895年ベネチア・ビエンナーレが100年を超す歴史的な国際店として有名であるが、上海、光州、シンガポールなどでも開催されるようになった ・ 日本でも「越後トリエンナーレ」「横浜トリエンナーレ」が有名になってきており、30万人を超す集客力にまでなってきている   
   各地でもビエンナーレ・・・・・・ こうした実績につられたか、群馬県中之条、埼玉県所沢、金沢、神戸、北九州、別府などでもビエンナーレが開かれている ・ 良質なアートを提供しつつ、如何に地域の個性を出すかが課題となるが、しばらくこの芸術祭人気が続きそうである