がんの最新治療を追う(2) がんの保険の選び方 
                ( 日本経済新聞7月9日、8月29日より )

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がんの最新治療   がん保険の選び方
内視鏡で病巣を一括削除
ESD大腸がんはまだ保険外
腹部以外でもESD試行
 . 死因の1/3はがん
複数回の一時金の保険を
各種各社の診断給付金
 . 通院、先進医療保障
上皮がん、各種がん保障
年齢、性別での掛け方
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  がんの最新治療を追う    (日本経済新聞7月9日より)  
■内視鏡で病巣を一括切除 :   
東大病院での内視鏡手術の様子 性別がんの手術では術後の痛みや、内臓の癒着といった合併症で苦しむ人が多い ・ この問題を回避するために内視鏡手術が広がってきた ・ 東京大学での内視鏡手術の様子を振り返る
   内視鏡的粘膜下層剥離術・・ 口から入れた内視鏡の先端についた針やナイフで腹部の早期がんを切除 ・ 入院期間は1週間 ・ 早期の胃がんや食道がんではここ数年急速にこの方法が普及した ・ 内視鏡的粘膜下層剥離術をESD手術という
     国立がんセンターで開発・ 1999年国立がんセンターの小野裕之医師らが、専用の電気メスを開発して世界で初めて実施した ・ それまでは取り残す危険性があったが、一度に切り落とせる手法として開発が進んだ ・ 内視鏡から出る1本の手術器具だけで患部を手術するため「りんごの皮を片手でむくような難しさはあるが、がんを根治できる可能性は高い ・ 2〜10センチ程度の大きながんでも一度にはぎとれる ・ またそのまま顕微鏡で検査ができ、リンパ管などに侵入していないかなど調べられ、侵入していれば、腹部に穴を開ける腹腔鏡手術などをする   
               
■大腸がんでもESD手術 :          
ESDでは一度に切取れる・・・・・・・ 大腸がんでも一部の医療機関でESDが浸透してきた ・ 特に有効なのは腸の表面に沿ってひらべったく広範囲に発育するがん ・ 早期のがんであれば大きくても一度にはがせるという(国立がんセンター)    
   大腸がんは保険対象外・・・・ ESD治療費は胃がんと食道がんでは保険が適用されているが、大腸がんではまだだ ・ 国立がんセンターや東大病院などでは先進医療として実施されているが、約20万円の手術費用は自己負担となる      
腹部以外でもESDを試行・・・・・・・ 内視鏡で腹部ではなく内臓の壁に小さな穴を開けて体内のがんを切除する「経管腔的内視鏡手術」の試みも始まった ・ 大阪大学病院で、胃の粘膜の下にある外側に突き出た腫瘍をESDで切除した ・ 膣を経由して膣の壁を切って内視鏡を腹部に入れて、腫瘍と胃の一部を切取った ・ なによりも嬉しいのは、肌に傷が残らなかったこと、痛くなかったことという   
   この手術法は痛みが少ない・ 皮膚には痛みを感じる神経が多いが、内臓の壁にはまばらで痛みを感じ難い ・ この新しい手術法だと患者は術後の痛みや傷で苦しむことがなく、回復も早いという ・ 今後消化器系のさまざまながんを、おなかを切らずに手術ができる可能性がみえてきた     
   
       
  がん保険の特徴をつかみ選ぶ    (日本経済新聞8月29日より)  
   
■がん保険は役に立つ場合が多い :   
死因の1/3ががん・・・・・・・・・・・ 日本人の死因の1/3ががんである ・ 治療の費用負担が大きく、治療期間の長期化などで生活に与える影響が大きくなりがちである        
事前に知っておくとよいこと・・・・・ まずは入院日数:国の医療費抑制政策や医療技術の進歩などで、がんの平均入院日数は2008年には約23日と1996年の約半分になっている ・ 結果として診断給付金、一時金が何度でももらえるのかどうかだ ・ がんになっても必ず入院や手術になるとは限らない ・ 確実に受け取れる一時金が大切である    
   一時金(診断給付金)・・・・・・ 代表的な一時金が診断給付金 ・ チェックすべきポイントのひとつは「もらえる回数が複数かどうか」 ・ 東京海上日動あんしん生命保険などでは、前回の給付後2年以上経過していれば受け取れる        
    保険会社によっては1度だけ・ ただし保険会社によっては、2回以降の支払いに関し、「約款に決められた条件にあてはまるか」、医師でも判断つけずらく、100%支払われるとは限らない           
■保険会社別での比較 :            
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保険会社 アクサ アフラック アリコ オリックス 東京海上日動
商品名 収入保証(I型) フォルテ(140S) 終身保険(08) 給付1万円付き アドバンスパック
がん診断時一時金 年120万円
  5年間
100万円 100万円 100万円
入院時+50万円
100万円
2回目以降の一時金 年10万円/4年 入院時100万円
  2年に一度
入院時100万円
  2年に一度
診断時100万円
  2年に一回
がんによる死亡 変動 10万円 なし なし なし
  
違った形での診断給付金・・・・・・・ オリックス生命保険では、がんでの入院で前回から2年以上たっていれば、通算何度でも入院日額の50倍(日額1万円なら50万円)がもらえる ・ 支払い基準が約款の文言でなく、入院という点なので分かり易い ・ アクサ生命では5年間で通算600万円までもらえる  
保障の点に違い・・・・・・・・・・・・・・ 「上皮内がん」と呼ばれる軽度のがんに、どの程度の診断給付金が支払われるかは各社に開きがある ・ またがんは再発しなくても、検査などに費用がかかることが多いため、がん検査通院に支払われるものもある ・ 通院費用に東京海上日動では抗がん剤特約があり、月に10万円が支払われる     
   先進医療特約・・・・・・・・・・・・ がん保険を検討する人に関心深いのが先進医療特約である(公的保険の対象にするかの検討段階の医療) ・ 重粒子線治療などになると1回300万円というものもあるが、高額であるが適用頻度はそう高くはない ・ 先進医療特約は月数十円から100円程度のものなので、つけておいてもよい 
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保険会社 アクサ アフラック アリコ オリックス 東京海上日動
商品名 収入保証(I型) フォルテ(140S) 終身保険(08) 給付1万円付き アドバンスパック
上皮がん支払割合 なし 10% 50% 100% 100%
がん通院 1万円×日数
 (700日まで)
 +特定治療
   通院費用
1万円×日数
 (730日まで)
なし 1万円×日数
 (730日まで)
抗がん剤治療
  10万円/月
がん先進医療 <通算700万円 <通算2000万円 <通算1000万円 <通算1000万円
  
■その他注意しておきたい事項 :           
年齢の問題・・・・・・・・・・・・・・・・・・ がん保険で考えなければならないことに年齢と性別の問題がある ・ がんで入院の多いのは60歳代以降 ・従って各保険会社の保険料は若年層のものは安い ・ 若い時代は貯蓄で100万円をため、診断一時金分を準備するとの考え方もなくはない   
男女性別の問題・・・・・・・・・・・・・・ もうひとつの検討課題は男女性別での掛け金 ・ 高齢になると女性の入院回数は男性より大幅に少ない ・ 本来は夫婦で入りたいと思っても、家計とのやりくりで夫だけが入るという選択肢もある ・ 女性の方が安いという保険会社もある 
高額療養費制度・・・・・・・・・・・・・・ がん保険を考える前に高額医療制度も検討しておくとよい ・ 医療費が一定額以上かかった場合には還付される制度 ・ 例えば70歳未満で一般的な所得の場合、つきに100万円の医療費がかかっても上限87430円ですむ ・ 申請が必要なので忘れないこと    
2/3の給料保証・・・・・・・・・・・・・・ がんで仕事を長期休んだ場合、会社員なら健康保険の「傷病手当金」という制度で、最大1年半給料の2/3が支給される
障害年金と介護保険・・・・・・・・ 治療に障害が残った場合には、障害年金の対象になる ・ 末期がんは介護保険の給付対象になることも知っておこう