がんの最新治療(3) 血液から免疫細胞 
                ( 日本経済新聞より )

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がんの最新治療 血液からの免疫細胞で
粒子線治療とは
がん細胞を狙い撃ち
正常細胞への損傷少ない
 . 広大な面積が必要
重粒子線と陽子線
治療施設の配備状況
 . 患者自身の血から免疫細胞
がんを狙い撃ち死滅させる
林原生物化学研究所(岡山)
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  深い患部に粒子線照射    (日本経済新聞7月16日より)  
■がんの粒子線治療とは :   
粒子線治療が広がっている・・・・・ 放射線の仲間である粒子線を患部にあてて、がん細胞を死滅させる「粒子線治療」 ・ エックス線などの従来の放射線よりも副作用が少なく、治療回数を減らせるなどの利点があり、実施している医療機関も少しづつ広がってきた ・ 一方で粒子線を作り出すには巨大な装置が必要で、治療費が高くなるなどの課題もある
   粒子線とは・・・・・・・・・・・・・・・ がんの治療に利用される放射線は光子線と粒子線に分類できる ・ 光子線は従来の放射線治療に使われてきたエックス線、ガンマ線のこと ・ これに対して、水素の原子核である「陽子」や炭素原子の電子を剥ぎ取った「炭素イオン(重粒子)」を加速器で光速度まで加速したものが「粒子線」にあたる
   粒子線治療とは・・・・・・・・・・・ 光子線は体にあてると体の表面近くで強く、奥へ向うほど弱くなる ・ 体の奥深くにあるがんの治療には難しく、放射線の通り道にある正常な細胞にも傷をつけてしまう ・ 一方粒子線は体内の特定深さで大きなエネルギーを放出するため、正常細胞の損傷を少なくしながらがんを治療できる   
               
■粒子線治療施設配備状況 :          
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施設名 地域 実施している治療
南東北がん治療センター 郡山市 陽子線
群馬大医学センター 前橋市 重粒子線
筑波大医学センター つくば市 陽子線
放射線医学総合研究所 千葉市 重粒子線
国立がん研究センター 柏市 陽子線
静岡県立がんセンター 静岡長泉町 陽子線
兵庫県立医療センター たつの市 陽子線・重粒子線
治療の流れ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ まずコンピュータ断層撮影装置(CT)で、がんや周辺臓器の位置を調べ、重粒子線を照射する向きや強さを決める ・ 照射時には装置の中に横たわってもらい体を固定する ・ 1回にかかる時間は30分 ・ 照射回数はがんの部位によっては1回で済むが、通常は数週間ほどかかる     
   広大な面積要がネック・・・・・ 重粒子線治療は放射線医学総合研究所(千葉県)が長年にわたり研究開発を主導してきた ・ 粒子線を加速するサッカー場ほどの施設の建設に300億円以上かかるのがネックで、実施施設はここと兵庫県たつの市の医療センターに限られていた ・ 技術革新がすすみ、群馬大の施設は1/3の面積、コストでできるようになり、佐賀県などでも施設の建設計画が浮上している      
各地で新設計画・・・・・・・・・・・・・・ 粒子線治療には重粒子線とは別に「陽子線という選択肢があり、国内でも5ヶ所の施設が実施している ・ 照射時のエネルギーがやや弱いなどの違いがあるが、基本的な原理は重粒子線と同じ ・ 価格は288万円に設定している医療機関が多い ・ 米国では比較的低コストなこの陽子線方式が広がっている   
   粒子線治療への懸念の声・・ 専門家の間には、重粒子線治療が増えすぎることへの懸念の声もある ・ 高額な建設費や治療費に見合う恩恵を、多くの患者が受けられるのかが見え難い ・ 費用対効果の検証を今後進めていく必要がある     
       
■骨肉腫には威力 :   
どんな種類のがんに威力発揮か 放射線医学総合研究所で、これまでに重粒子線治療を受けた患者は、前立腺(892人)、肺(554人)、頭けい部(551人)、骨軟部(511人)、肝臓(289人)などとなっているが、骨軟部の肉腫にもっとも期待ができると当院の辻井理事は説明する        
   がんが広がっていてはダメ・ 転移が広がっている場合や、過去に他の放射線治療を受けたことがある場合などは、重粒子線治療を受けることができない ・ 照射のねらいを決め難い胃や大腸などの消化器系のがんや、別の治療法で十分な効果を期待できる乳がん、喉頭がんなども対象外になっている    
副作用もあるので注・・・・・・・・・・ 肺がんの治療で肺炎になることがある ・ 前立腺がんでも、直腸や尿道などに重粒子線が当たって一時的な出血が起こることがあるという        
               
             
  血液から作る免疫細胞でがん治療    (日本経済新聞9月16日より )   
              
■免疫細胞でがんを狙い撃ち :           
ヒトの血液から免疫細胞で抗がん・ 林原生物化学研究所(岡山)は、ヒトの血液から作った免疫細胞が、がん細胞の中に入り込んでがんを死滅させる新しい抗がんメカニズムを確認したと発表した  
   がん患者の血液からなので・・ がん患者本人、自分の血液からなので、免疫拒絶反応が起こりにくい治療法になる可能性がある ・ 5年後の臨床研究を目指す 
免疫細胞(HOZOT)の作り方・・・・ がん細胞を死滅させる「HOZOT(ホゾティ)」と呼ばれる免疫細胞は、ヒトの臍帯血に含まれる白血球を培養して作られた    
   HOZOTはがんを死滅させる 「HOZOT」はヒトの乳がんや胃がん、大腸がんのがん細胞と混ぜ合わせると、がん細胞に向って移動、接着し、核の部分から侵入して細胞ごと取り込んでしまう ・ その後HOZOTが持つ細胞を傷つける蛋白質の膜が壊れて拡散 ・ まず自らが死に、がん細胞も死滅させるという    
竹内誠人主任研究員が解明・・ 2年前にこの現象を発見した竹内氏は「トロイの木馬のように相手に入り込んで死滅させる方式 ・ 抗がんの効きにくいがんで、抗がん剤をがん細胞内に運ぶ手段としても利用可能」としており、マウスなどでの実験に取り組んでいる ・ 22日大阪の日本がん学会で発表
                   
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