がんの最新治療(4) 分子標的薬 ・ 高齢者の乳がん
                ( 日本経済新聞7月23日、10月8日より )

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がんを抑える分子標的薬 高齢者の乳がん
腎がんの救世主登場
新薬の承認相次ぐ
課題は副作用問題
 . 分子標的薬とは
がん治療薬の主役
さまざまな標的薬開発
 . 乳がんの発生状況
発症リスク遺伝子で検査
リンク集(90歳手術可否他)
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  進行を抑える分子標的薬    (日本経済新聞7月23日より)  
■腎臓がん :   
腎がんの救世主登場・・・・・・・・・・ 腎がんの治療がここ1、2年で大きく変ってきた ・ 転移、再発するとこれまで決め手になる治療法がなかったが、新タイプのがん治療薬である分子標的薬が相次いで登場、がんの進行を抑えることができるようになった
   腎がんの症状・・・・・・・・・・・・ 腎がんは腎臓がんの一種で、がんが主に腎臓内の尿細管上皮細胞にできる ・ 早期に発見できれば腎臓の部分切除か全摘出によって治るが、腰痛や血尿などの症状が出たときにはすでに進行しているケースが多い
これまでの治療薬・・・・・・・・・・・・・ 転移があると手術という選択肢は難しく、治る見込みも小さい ・ このようなとき、これまでの治療ではインターロキシンやインターフェロンが使われたが、意識がもうろう状態になったり、うつ状態になるなどの副作用が出た   
               
■新薬の承認が相次ぐ :          
ネクバールでがん進行を防止・・・ 腎がん向けの標的薬「ネクバール(一般名:ソラフェニブ)が開発された ・ これを服用しがんが大きくならず、がんと折り合いをつけながら生きることができるようになった ・ ネクバールはがんに栄養分を送り込む新しい血管ができにくくなるように分子を設計して作った低分子薬である   
同様に効果を出す薬続々承認・・ ネクバールの後にできた「スーテント(一般名:スニチニブリンゴ酸塩)」も同じタイプの薬 ・ 投与後がんの大きさが3割以上小さくなる患者の割合がおよそ半分と成績がよい ・ 同様に「アフィニト(同:エベロニスム)」や「トリセル(同:テムシロリスム)」という分子標的薬も開発され承認されている     
当面の課題は副作用問題・・・・・・ 分子標的薬ががん細胞に狙いを定めて攻撃するといっても患者によっては治療の継続が難しくなるほどに副作用がでることがある ・ 多脚の皮膚障害に悩まされたり、また薬価ベースで毎月数十万円にのぼる治療費も大きな問題 ・ 高額療養費支給制度はあるがそれでも負担は大きくなる   
         
■分子標的薬とは :   
メカニズム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ がんのメカニズムを解明し、わるさをする蛋白質の働きを抑え込むように設計してできたがんの治療薬 ・ 細胞分裂に狙いをさだめてがん細胞をたたく普通の抗がん剤が、正常細胞を同じように攻撃してしまうのに対して、がん細胞特有の分子をターゲットにする ・        
   現在はがん治療薬の主役・・ 2001年に日米欧に登場した慢性骨髄性白血病治療薬「グリベック」が最初とされる ・ それまで不治の病であった白血病が治るようになり、「魔法の薬」ともいわれた ・ その後肺がんや乳がんなどさまざまながん用に開発され、現在ではがん治療薬の主役になっている  
   分子標的薬ごとに副作用・・・ 当初はがん細胞のみを攻撃するため、副作用が少ないとみられていた ・ 世界に先駆けて日本で承認された「イレッサ」では間質性肺炎で死亡するケースが相次いで、社会問題になった ・ 今では分子標的薬ごとに従来の抗がん剤とは異なる副作用がでると見られている    
               
               
  乳がんの早期対応    (日本経済新聞10月8日より)  
              
■乳がんの発生状況 :           
10%が遺伝により発病する・・・・・ 毎年国内では新たに約4万人が乳がんになる ・ うち5〜10%が遺伝性の乳がんである ・ 遺伝子変異で卵巣がんになる確率も高いので、これらを合わせ、「遺伝性乳がん、卵巣がん症候群」と呼ぶ  
   遺伝で発病しやすい・・・・・・・ 遺伝性乳がん、卵巣がん 症候群は、家系内に乳がんや卵巣がんを患った人が何人かいるケースが多く、40歳以下の若いときでもなりやすいことで知られる ・ 再発もしやすい
       
■発症のリスク遺伝子で検査 :          
検査費用は20万円・・・・・・・・・・・・ 乳がんの遺伝子検査は専門の検査で確定できるが、20万円前後かかる ・ もし陽性だと、かかりやすい可能性がある ・ 遺伝子による血縁者への影響は50%ともいわれる
   陽性だと予防治療もできる・・ ここ数年で遺伝子解析技術が進歩し、血液中の白血球からDNAを取り出し、がんの遺伝子BRCA1かBRCA2に変化があるかどうかが分かるようになった ・ 未発症の人がもし「陽性」だと、予防治療という選択肢がある ・ 乳房を切除し、人工的な乳房をとの手術も米国ではある ・ また抗がん剤を予防投与する場合もある ・ ただし国内ではこのようなケースはまだ少ない       
                   
リンク集 :          
乳がんの遺伝と検査・・・・・・・・・・・ 家族性乳がんの判断基準(近親者に多い、40未満で発症ほか) ・ 遺伝子検査事典 
乳がんの手術・・・・・・・・・・・・・・・・ 乳房がんの手術 ・ 多くは乳房温存療法 ・ 再建手術 ・ 90歳でも乳がん手術可能です  
乳がんの治療・・・・・・・・・・・・・・・・ 乳がんを手術しないで治療する方法 ・ 乳がんの治療は手術ほか複合療法で        
90歳での乳がん・・・・・・・・・・・・・・ 90歳台の女性の乳がん手術すべきかどうか?