エジプトの政変 と 中東、世界への波及 
                

  .
中東激動世界へ波及   米に見られる新秩序
エジプトの政変と世界
指導者なきネット革命
ネット規制をかいくぐる動き
原油高騰・物価上昇の波
 . 親米支持の従来外交否定
オバマ政権、中東安定無視
若者決起は盟主なき浮遊
 . ムバラク退任は世界の趨勢
国内格差拡大の国に波及か
親米なら支える従来外交否定
     特集記事のバックナンバー:       掲示板 (チョット関連の話題ありませんか) 


  中東激動 波は世界へ    (日経新聞2月27日〜より)  
■指導者なきネット革命 :   
はじめツイッターで語りかけた・・・・ エジプトに端を発した中東のデモ、原動力になったのはインターネット ・ グーグル幹部のワニエル・ゴニム氏エジプトムバラクを辞任に追いやった仕掛け人だが、彼は交流サイト(SNS:フェイスブック)に、民主的改革を訴えるページを開設 ・ 群集に交わりながらツイッターで「カイロ中心部のタハ-ル広場にきて欲しい」と訴えかけた
   SNSの利用者が急増中・・・・・ 若年層が急増する中東や北アフリカではネット利用が爆発的に広がっている ・ エジプトでのSNS:フェイスブック利用者は565万人(日本の2.2倍) ・ チュニジアは220万人、リビアも30万人になっている ・ 貧困に苦しんできたデジタル世代は、ネットで世界と自国の落差を目のあたりにし、一斉に隆起した
規制をかいくぐる・・・・・・・・・・・・・・ 変革の波は中東以外へも及ぶ ・ 「フェイスブックで世界をみよう」こんな広告が中国で増えている ・ 中国政府はフェイスブックやツイッターの閲覧を禁じているが、多くの人は国外のサーバー経由でアクセスする外国企業のサービスを使い規制をかいくぐっている ・ 中国でのフェイスブック利用者は70万人になっている   
   北朝鮮でも・・・・・・・・・・・・・・・ 北朝鮮には「ステルUSBメモリー」とよぶ技術によって韓国のニュースが流入している ・ 税関検査ではデータが隠れて空に見えるが、時間がたつと復帰しパソコンでみられるようになる技術 ・ 米国クリントン国務長官は「ネットの自由に障壁を設ける政府は行き詰まる」と中国やイランに警告をしたが、「ウィクリークス」には安全保障への攻撃だと非難している          
■政変連鎖身構える市場 :          
原油価格高騰への不安・・・・・・・・ 原油価格はリビアの緊張が高まってから上昇している ・ 主要国株は下落し、円やスイスフランなどに逃避資金が流れ込んでいる ・ チュニジア、エジプト、リビアに次いで、バーレーン、サウジなどが気にしている,デモによる累卵の危にある ・ サウジは25歳未満の若者が5割を占める点でエジプトなど他の中東諸国と同じ状況にある ・ 議会制度の導入など統治制度の改革を求められており、最大の産油国サウジも安閑としておれない    
   東アジアへも影響してきた・・ チュニジア発のジャスミン革命の波は東アジアへも及んできた ・ 世界が気にしているのは、民主化要求への中国内部の動きである ・ 中国では消費者物価上昇率が5%あり、所得格差が強く意識され出した ・ 大学を出ても職につけず、不動産バブルのあおりで住居は手狭、軍や官僚の不正や腐敗への不満は高まっている   
ネットは各所で騒乱を起こす・・・・ ネットは中東での騒乱を起こす原動力になったが、ネットは原油高騰にみられるように、世界の金融を動かしている ・ 株式や商品などの垣根を越えて瞬時に世界を駆け巡り、世界経済の動揺、新興国の経済不安を助長する要因にもなっている ・ 均衡のとれぬ世界を予想外の砂嵐が襲おうとしている 
         
■米にみられる新秩序 :   
親米なら支えるの従来外交否定・ 米国オバマ政権は、米国従来の歴代政権のやり方であった親米である国家を支援するとは決別している ・ パーレビー王政のイラン、サダト大統領以来のエジプト、中東和平に背を向けるイスラエルなどとも交友は「安定か民主化かの選択」で従来は前者を選んできた ・ オバマ政権2年すぎてもイスラエルに脚を運ばず、ウクライナのロシア回帰も傍観、アフガニスタンカルザイ大統領との決別もうわさされる      
   世界の安定に責任とれず・・・ 問題は世界の安定に誰も責任をとらなくなったことである ・ オバマ大統領は昨年インドで「米国だけで世界を動かすことはできない」と発言している ・ 新興国が台頭するなか従来の盟主は低成長にあえいでいる ・ エジプトでの反体制デモが政権を倒すまでになったのは、米国の力の低下とネットの新技術が重なったことにある 
   若者決起は盟主なき浮遊・・ 中東の多くの国では、軍などの指導者が権力を得ると、欧米などの支援を得た上で独裁の道を歩んできた ・ 一連の政変はそのような「国民不在」に飽きた若者が意思をもって主役に躍り出ようとした結果でもある 激動する中東は盟主なき状態で動いている      
               
             
  エジプトの政変と世界    (日経新聞2月16日より)   
     
■新興国、物価上昇が火付けの種 :           
ムバラクの退任は世界の趨勢・・・・ 30年近く君臨したムバラク大統領が辞任したが、その背景には同国固有の事情と若年失業の増加、食料価格の高騰など世界経済に密接にからむ要因がある ・ 中東の独裁者退場は世界が抱える混迷を映し出している  
   民主化要の国の株価下落・・ ドバイ、アブダビ、カタール、オマーンなどの株価は上昇したが、民主化の要求が高まるヨルダンほかの株価は横ばい ・ また原油相場も、中東の緊張は続くとの見方から上昇している 
新興国は経済成長で物価高騰・・ IMF(国際通貨基金)予測では、世界経済は12年も4.5%と高めの成長が続く ・ 企業収益の回復を受けて、日米欧の株価も上昇気流に乗っている ・ だが新興国では需要急増や米国などの金融緩和によるマネーの流入があって、食料価格などを押し上げている ・ エジプト、ヨルダン、イエメンなどの資源の乏しい新興国、途上国を特に揺さぶっている   
   若年失業率も高く激怒へ・・・ 中東こくに共通するのは、人口に占める若年層の割合が高く、雇用を十分に適用できず若年失業率が高いこと ・ それに小麦など食料品の値上がりが追い討ちをかけ、怒りの矛先が独裁政権へと向った    
先進国でもギリシャ等は困窮・・・・ 先進国でも、米国での雇用回復の遅れ、ユーロ圏でのギリシャやアイルランドなの財政再建からの国民の窮乏生活 ・ 世界景気は回復しても、自分達は取り残されると感じている人々は世界で増えている
   ネットで政府を動かす時代へ 国の政府は数年に1度の選挙だけでなく、市場から、ネットから、ノーをつきつけられる時代になった            
                   
エジプト、軍の評議会変化を嫌う :   (日経2月14日より)        
軍評議会が公表した指針・・・・・・・ ・軍評議会はこれまでのすべての声明を尊重する
・中央と地方が一体となり、経済を回復軌道へのせる
・現在の政府は、新政権発足まで業務を施行する
・エジプトはすべての地域的、国際的条約を順守する
・軍は選挙での民主的な平和的な移行を期待している
タンタウィ国防相がリードする・・・・ 辞任したムバラク大統領に代わり、タンタウィ国防相75歳が最高評議会のトップを務める ・ 1991年よりムバラク体制を国防相としてさせえてきた ・ 保守的で頑固、変化を嫌う守旧派との評もあるが、新生エジプトの行方を託されることとなった  
   礼儀正しい・一兵卒・・・・・・・・ タンタウィ国防相は一歩兵から元帥までにたたき上げた人 ・ ムバラク大統領の副首相でもあったが、米国よりの評価は「体制の維持と安定に腐心する人」「改革へのビジョンや情熱は一切ない人」との酷評も聞かれる ・ だが人柄については「人間的魅力があり、礼儀正しい」との評価もある ・ 軍内部からの信頼が厚く、目立った批判もないと伝えれれる