チェルノブイリの被害状況 驚くなかれその犠牲者数 (その3) 
                ( 講談社「チェルノブイリの真実」広河隆一著より )

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ヨーロッパでの被害状況   自然界の異変と体内被曝
様々な病気と死亡者数
オーストリア:幼児妊婦は室内に
南ドイツの汚染はひどかった
ポーランド最悪、スコットランドも
 . 巨大化する植物、動物界の異変
放射能を吸収する植物
低線量被爆と体内被曝教
 . 先天性異常の子供が誕生 
死亡者は805人とも、12万人とも
25年後に被害は広がる

      原発の初歩の初歩の初歩  (No.1) 
      放射能の初歩の初歩の初歩 (No.2)  

      原発事故Q&A 収束工程表 (No.3) 
      原発事故の食への影響    (No.4)  
      チェルノブイリ原発事故程度 (No.5) 
      チェルノブイリ知れば恐くなる(No.6) 

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  自然界の異変と体内被曝     
■ヨーロッパでの被害状況 :   
地球規模の汚染(オーストリア)・・ スリーマイル島での話、チェルノブイリの話を知っておくことは、フクシマがこの先どうなるかみておくのにも大切なことと思う ・ チェルノブイリの状況を詳しく検証してみたい ・ オーストリアザルツブルク屋根から雨水の落ちるジメジメしたところの汚染がひどかった ・ 1000キロも彼方から飛来した雲から強烈な放射性微粒子を含んだ雨のしぶくとなり、沈着をおこしたのである
   牧畜、農作物に打撃・・・・・・・ 事故直後オーストリアでは羊の乳から最高41800ベクレルの放射能が検出され廃棄処分された ・ 羊・山羊のミルク、チーズの流通も禁止された ・ またホウレンソウやサラダ菜からもキロ当たり37000ベクレルも検出されるものがあり、廃棄処分にされた ・ レタス、キャベツ、カリフラワー、大豆、エンドウ、トマト、蜂蜜も激しい汚染が報告された
   幼児、妊婦は屋内に・・・・・・・ 5月(事故の翌月)に入って幼児、妊婦は屋内にいるよう、そして一般も庭いじりなどは自粛するよう勧告がなされた   
ドイツでも汚染がひどかった・・・・・ ミュンヘンなどババリア地方(チェルノブイリから1000キロ強)がひどかった、チェルノブイリからの雲があるとき雨が降った ・ 緑黄野菜の大部分を廃棄処分することになった ・ ヨウ素131が1キロあたり2万ベクレル、セシウムが9000ベクレルにもなっていた           
   乳製品、生鮮野菜摂取制限・ ドイツでは雨水の飲用に対して注意がなされ、ミルク、乳製品、生鮮野菜の消費制限が行われた ・ 市の公園では、巨大化したタンポポの葉や、色彩が変わった巨大化したカエデが多くあった     
その他ヨーロッパ諸国での被害・・ 事故の日26日の雲は、27日にはバルト諸国からスカンジナビアに達し30日まで汚染続けた ・ 28日〜5月2日まではヨーロッパ東部、オーストリア、ドイツ南部、そしてイタリアやユーゴースラビアを汚染し続けた ・ このときポーランド全域が放射能の雲に覆われた      
   ソ連外ではポーランドが最悪 ポーランド政府はいち早く、ミルクを飲むなと制限を出した ・ ミルクの汚染度は危険値の1.7倍にも達し、ECから粉ミルクの援助がなされた ・ その他生野菜は水で洗って塵を落とすよう、政府は国民に伝えた ・ ポーランドでは牧草1キロあたり10万5千ベクレルであり、ミルク1リットル当たりでは2000ベクレルとの高い値が報告された ・ ポーランドの子供達にはヨウ素の錠剤が配布された  
   その他ヨーロッパ諸国・・・・・・ ハンガリーではミルクが2600ベクレル、ルーマニア、ブルガリアも被害大きくミルクの汚染が20000ベクレルに達したとの報告がある ・ フィンランドは上空に放射能雲が通ったとき雨が降らなかったので影響がそれほど大きくはなかった ・ イタリアでもうなぎ数万匹が処分された、スパゲティの原料である小麦も影響を受けた ・ イギリスでは羊が影響を受けた ・ スコットランドでは事故後3年経過してもシカ肉がキロあたり1000ベクレル以上になったいた    
   スウェーデン・ノールウェイ・・ ノールウェイでは汚染された苔を食べるトナカイや、牧草を食べる羊の肉が汚染された ・ 事故後3年の間に羊肉30%と、トナカイ肉40%がキロあたり6000ベクレルと汚染されていた ・ スウェーデンの被害はノールウェイよりも比較にならぬほど大きなものであった ・ 28〜29日にかけての雨で牧場が汚染された(1平方メートルあたり14万ベクレル) ・ 牧草はすべて刈り取られた ・ 6月にも一部の地域の淡水魚を食べないようにとの指示が出された     
       
■自然界の異変と体内被曝 :   
巨大化する植物・・・・・・・・・・・・・・ 巨大化した植物は原発からの距離にも関係があった ・ 原発の近所の赤い森には巨大化した植物が多数あった ・ 巨大化の傾向は91〜92年には減ったが、事故の後その頃までに現れた ・ また別の異常として普通出るはずのない枝のところに芽がでるなどもした        
   小麦類にも変異が見られた・ 原子炉周辺から3種類の麦を移し替え栽培したところ、60〜80%のものに突然変異が現れたという ・ 3〜4年経過したものから異常がみられた ・ 穂の向きがらせん状になっているものなど珍しいものが現れた    
放射能を吸収する植物・・・・・・・・・ 事故後10年ちかく経っても、放射能は地表から地下20センチまでのところにあって、植物の根から吸収され、葉に濃縮され、枯葉となって地表に落ち、またゆっくりと土中に沈む ・ 放射能を最も吸収したのは森であった ・ 植物の中で放射能を吸収するものと、吸収しないものとがある ・ 葉に吸収、実は大丈夫などいろいろである ・ フランスでは放射能を吸収させる植物の研究などがされている       
動物界の異変・・・・・・・・・・・・・・・・ チェルノブイリ原発に冷却池があるが、そこにはチョウザメとコイのような魚が飼われている ・ 黒海特産のキャビアがどれほどの影響を受けるかを調べるためである ・ また貯水池の魚を狐、テン、ネズミなどに食べさせてどのような変化が現れるかを調べる研究所がある ・ 30キロ圏内の動物を捕獲し、飼育、交配させて、影響を調べる研究もされている    
   妊婦、精子が被ばくすると・・ これらが被爆すると突然変異の子孫を残す ・ マウス実験で、親のマウスが被ばくするとガンが発生し、肺がんが遺伝していくと発表されている ・ 白血病は精子が被ばくしたときに限って起こるなどの報告もある 
低線量被ばくと体内被曝・・・・・・・ 原発から150キロ離れたノボジフコフでの報告がある ・ ここに住む村民一人当たりセシウム被ばく量が86年9月20万ベクレルを超えていた ・ 88年4月には4万ベクレルに低下していた ・ 被爆の影響は母親から子供に大きく表れるが、父親の被ばくは孫、ひ孫に突然変異として現れると言われている
   細胞被ばくは子孫へ・・・・・ 放射線被ばくを受けると、細胞レベルでの損傷が起こり、その損傷は細胞内に刻印されてしまう ・ まご、ひ孫の生体内で再生され子孫に伝えられる ・ よって若い親、子供達を早く移住させることが重要という     
              
■様々な病気 と 死亡者数 :           
事故で先天性異常の子供誕生・・ 事故後1年間に生まれたこともについて調べたところ、脳障害が増加しているとの報告がある ・ ゴメリ州の統計では先天性異常をもって生まれてくるこどもが87年には8.8%(事故前は5%)と多くなった ・ しかし88年7.2%、89年5.6%、90年6%となっている ・ 汚染地で先天性異常のこどもの誕生が多発したが、今では落ち着いたとのことだ ・ また乳児の被ばくは甲状腺の病気になるケースがおおいという
   慢性的被爆は子孫の代へ・・ 慢性的被ばくが何世代も続くと、最初の世代に現れる影響に比べて、突然変異のレベルが10倍近くへ跳ね上がる と某学者はいっている 
白血病が増加する・・・・・・・・・・・・ 母親が妊娠する前に父親が被ばくすると、正常の6倍〜8倍の頻度で白血病のこどもが生まれやすいといわれる ・ 多量の放射能は細胞を殺すが、少量の放射能は細胞に変異をもたらすという ・ これが白血病の原因になっている   
   ストロンチウムで骨髄白血病・ 対外被ばくよりも食物を通してストロンチウムが体内へ入ると、骨髄性白血病が起こる    
除染作業員は相当数死亡した・・・ キロコーロフというチェルノブイリ障害者連盟代表の話によれば、ウクライナでチェルノブイリによる死亡者は12万5000人、そのうち処理班は10万5000人に上ったと発表している ・ 老人の死亡、社会復帰悲観よりの自殺などが含まれており、この数値は原発事故関連とはいえない ・ もう少し信用おけるウクライナ保健省の数値によると、除染作業員数11万9000人で、おの4人に1人が事故のために病気や身体障害者になったといっている
   委員会発表805人死亡・ 特別専門家委員会の正式発表では、チェルノブイリ原発の除染作業で805人が亡くなったと認めている            
   同盟発表では8000人死亡・ 同盟の発表では、ソ連で80万人が除染作業に駆り出され、8000人が死亡した ・ そして75000人が身体障害者になった ・ そして原発職員1500人が除染作業に参加し、115人が死亡し、400人以上が障害者になったという ・ 除染作業員のかなりの部分は女性だった ・ 居住禁止地帯で働いていた医者3500人、看護婦、検査技師5000人の半数は女性だったという   
がん死の予測・・・・・・・・・・・・・・・・ はじめは甲状腺がんが増え、その次は乳がん、そして骨がんが増えて行く ・ 骨髄でつくられる血液がんから白血病が増加していきます ・ 肺がんも増えていくでありましょう ・ ホイニキ病院の院長の予測であるが、ホイニキ地区の人口は45000人であるが、そのうち20000人近くががんになると推察した ・ また米エネルギー省の推定だともっと悲観的で、これから50年間にがん関連死亡症例増加数を1〜4万と推定している    
   100万人ががんを患う・・・・・・ これらの結果から推測すると、チェルノブイリ事故の結果として、数十万人〜100万人の人々ががんを患うことになるという          
                   
■小児甲状腺がんが多発 :         
階層のヨウ素と放射線ヨウ素・・・・・ 事故によって放出されたヨウ素131は、人間の甲状腺に濃縮された ・ 甲状腺は喉にあるホルモンをつかさどる器官で、人間の成長に大きな役割を果たす ・ この甲状腺は海草などに含まれているヨウ素を養分としている ・ ところが人間の身体は、そのヨウ素と放射性ヨウ素を区別できない ・ 従って体に侵入してきた放射性ヨウ素を甲状腺は取り込んでしまう ・ こうして甲状腺は被ばくする
   予防にヨウ剤を使うわけ・・・・ 核事故で放射性ヨウ素を防御するのにヨウ剤が使われる ・ これはヨウ素がとりこまれる前に、ヨウ剤を飲んで、甲状腺をヨウ素でほうわじょうたいにする  
甲状腺がんは被爆後15年が最多 甲状腺がんは被爆後3〜5年後から増加しはじめ、15〜25年後に最大出現率をとる ・ 被爆時の年齢が20歳未満の人に多い ・ 被爆の中でも小さなこどもは、大量の放射能を受けると、甲状腺の機能障害を起こして木おっく力の低下を招き、知恵遅れになることもある        
     
                
              
                
                

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