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■欧州の今 : |
ドイツでの電力小売り自由化・・・・ |
ベルリンに住む一般市民は、取り込む電力の電力会社を自由に選ぶことができる ・ ノルウェーの水力発電などと指定ができる ・ ドイツでの電力小売りの自由化は1998年 ・ 各地の発電会社や電力市場から電気を仕入れ、家庭などに電力を売る「電力小売り会社」が続々と生まれた |
地域で150社を選べる・・・・・ |
電力の供給元の選択肢は地域ごとの平均で約150社に及び、新規事業者と契約する世帯が2010年には15%を超えた ・ 巨大電力会社も無視できない存在になりつつある |
電力の自由化は英国で始まった・ |
英仏で海底ケーブルがあるとはいえ、日本と同じ島国から経済統合を進めて競争を促す欧州連合(EU)全体に広がった ・ 2007年に小口客の家庭も外国の会社と契約可能になった |
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英国では電力会社の分割、発電と送電の分離、民営化が進んだ 1999年には地域独占が完全に終わり、企業も家庭も電力会社を選べるようになった ・ 独仏スペイン勢が進出して6大電力の4つが海外資本となり、競り合うこととなった |
■改革の芽日本でも : |
大口需要家は電力を選べるが・・ |
日本でも7工場や大型ビルといった大口需要家は、大手電力会社以外から電気をかえることになった ・ ただまだ家庭は選べない |
発送電分離は却下された・・ |
2002年4月経産省の諮問機関の「総合資源エネルギー調査会」で電力小売りの自由化議論が始まったが、欧米での失敗例やカリフォルニアでの深刻な電力不足による大停電を理由に、発送電の分離は見送られた ・ また発送電分離をすると原発はやれなくなるとの意見に押し切られた |
今の政府で夏までに結論・・・・・・ |
今政府にはさまざまな審議会や委員会があり、電力制度改革を話し合っている ・ 今年夏までに結論をだし、来年の通常国会に関連法案を提出する構えである ・ 制度づくりにはかって改革に旗をふった人たちも加わっている ・ これに対し電力会社幹部は危機感をつのらせている ・ 発送電分離してなんになるのか、メリットはないと断言しており、攻防はこれからである |
日本の電力の自由化・・・・・・・・・・ |
海外に比べて割高な電気料金が産業の競争力を弱めているとし、1990年代から議論が始まった ・ 2000年には大規模工場やビル、病院などに対する電力小売りの自由化 ・ 2005年までに中規模工場やスーパーも対象に加わり、全電力需要の6割が自由化された ・ しかし2010年時点で新規参入の電力事業者は39社あるものの、自由化分野の販売電力は3%ほどにとどまっている |
消費者が変える未来・・・・・・ |
電力の自由化が進んだ国では、消費者の選択が電力会社の経営や国のエネルギー政策に影響を与えている ・ 電気をつくる手段やコスト、エネルギー政策に関する国民的コンセンサスを早くまとめ議論にもっていってもらいたい ・ われわれはどのようなエネルギー社会を望み、各国の制度から何を学ぶべきか、それを考える手がかりを以下考えていきたい |
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■スマートシティ : |
米国ロサンジェルスでの例・・・・・ |
ロサンジェルスのグレンデール市は約55億円を投じて、昨秋までに市内全世帯に約8万5千台のスマートメータをつけた ・ 同州では原子力や石炭火力の発電所の新設を法律で禁止しており、米国内でも環境意識が高い ・ 放射性廃棄物や二酸化炭素に強い規制をする風土がある ・ 発電所を増やせず、他州からまかなうにも限度があるならば、需要をおさえようとの発想である |
州都サクラメントでも・・・・・・ |
州都サクラメントでも、スマートメータを61万5千台設置を進めている ・ ここでは「スマートメータ設置は余分な発電設備を持たなくてすむし、新たな発電所を作るより節電の方が安いから」として設置にふみきっている |
節電にスマート化・・・・・・・・・・・・ |
一律の利用制限や消費者の「我慢」に頼るのではなく、ITを活用して家庭や地域の電力利用をうまく管理し、効率的に電力をつかうという考え方への取り組み ・ 省エネになるほか、原発など大規模発電への依存を減らし、発電量などが不安定な自然エネルギーの普及につながるとされる |
日本での試行、研究・・・・・・・・・・ |
一方日本は需要に合わせ、発電所を増やし安定供給を図ってきたが、東京電力福島の事故でその限界を露呈した ・ 北九州の製鉄所跡地で、経産省が支援するスマートシティづくりが進んでいる ・ 4月から約300の家庭や事業所が参加する社会実験が開始される |
電力ピーク時の節約に・・・・・ |
地域の電力利用の状況や天候を参考に、電気料金を日単位、時間単位で上げ下げする ・ 消費者に節電を促し、電力利用が同じ時間帯に集中しないようにする ・ この地区の電力は、八幡製鉄所内の天然ガスで賄っており、九州電力に関係なく実験できる |
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■発送電分離 : |
欧州の電力会社は他国活動へ・・ |
欧州も以前は日本と同じように、電力会社の地域独占が認められていた ・ しかし発送電分離と自由化に20年近く取り組んできた結果、電力の業界地図がすっかり変わった ・ イタリアの電力大手エネル社も改革の波にのまれた1社である ・ 旧国営電力公社であったが、分離政策でバラバラにされた |
発送電分離のエネル社は・・ |
公共性の高い送電部門は別会社として政府の規制下におかれ、発電部門は民営化され独占禁止の法律で発電所は売却に追い込まれた ・ そうして発電シェアは28%までに落ち込んだ |
落ち込んだが復帰した・・ |
エネル社は攻め込まれた分、他国に攻勢をかけた ・ 2007年エネル社はスペイン大手エンデサ社を買収、海外拠点は東欧や中南米など40カ所に広がった ・ 次は自然エネルギーにも力を入れたいとしている |
EUは発送電の分離を迫った・・・・ |
1990年代半ばから「EU指令」を幾度も発して、段階的に分離をすすめた ・ 背景にあるのは公平な条件下の競争によって活力を率いだそうという考え方 ・ 市場や通貨の統合をすすめるEUにおいて電力も例外ではない |
競争法違反すれば課徴金・・ |
課徴金は巨額で、最大手エーオン社などは送電子会社の売却にまでなった ・ 「エネルギー市場の統合で2020年までに0.8%の成長上乗せができると期待している ・ 欧州債務危機を脱却するためにも電力統合をやりぬく意気込みを関係者は語っている |
発送電分離とは・・・・・・・・・・・・・・ |
競争原理の導入で電力の需給システムの効率を上げ、経済体質を強化するために1990年代から先進各国が導入し始めた ・ 欧州では分社化する「法的分離」や資本関係もなくす「所有分離」まで実現しているが、日本では社内の「会計分離」に留まっている |
停電の心配と対策・・・・・・・・ |
ただし、発送電分離は、停電などのトラブルが心配になる ・ 緊急時には電気を供給してもらえるように他地域などとの契約を結んでおく必要がある ・ 日本の電力業界、特に電力関連の労組関連は発送電分離には慎重である ・ ドイツのエネルギーの関係者は「昔のわれわれも同じことをいっていた・厳しいときもあったが、競争によって活力も生まれることをj学んだ ・ われわれは変わった」と |