開いた「パンドラの箱」、ドイツとニッポンの違い 
                ( 朝日新聞8月20日〜「限界にっぽん」より )

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無責任体制のニッポン   ドイツは原発ゼロ急進
復興計画沖縄モデル
電力業界と族議員
除染やっと開始、帰還まだ1割
リンク集:復興資金、デモ、族議員
 . 福島事故でデモ盛んに
民意くんでメルケル動く
インターネットで草の根
 . 沖縄公共投資が主
公共投資結果利用僅少
地方が喜ぶものが重要
     特集記事のバックナンバー:       掲示板 (チョット関連の話題ありませんか) 


      
■無責任体制のもたもたニッポン :   
政府と民間の現状・・・・・・ 福島の事故をきっかけに政府はいったん「脱原発」におおきく舵をきったかにみえたが、福島で中間貯蔵施設を決められないと同様に、責任の重い決定となるとたちすくんでしまっている ・ 官邸前では毎週集会が行われるなど脱原発の世論は収まらない
   電力業界と族議員・・・ 2004年には若手官僚たちが、核燃料サイクルはコストが高く、安全性にも不安があるとして、使用済み燃料をそのまま地中に埋める「直接処分」を各方面に進言していた ・ しかし経産省の上層部は、電力業界と自民党電力族議員の圧力に耐えられず、核燃計画を続けることにした
   直接処分か再処理か・ どちらを選ぶにしても、最終処分場が必要になる ・ その場所は決まっておらず、使用済み燃料はいま、各原発の敷地内に保管されている ・ すでにその容量の7割近くが埋まり、このまま原発の稼働を続ければいずれ満杯になる ・ にして原発は動き続けている   
除染進まず・仮の町困惑・ 先送り政策のあおりで、置き去りにされているのが福島の被災者たち ・ 4月に警戒区域の指定が解除された南相馬市の小高地区 ・ 半壊以上の建物が500世帯ほどあるのに、ゴミの仮置き場が確保できず取り壊された家は2棟だけ ・ 家屋や田畑の除染が進まない     
   除染にやっと3月着手 住民が戻るにはまず除染が必要だが、各世帯の除染が始まったのが今年3月中旬からだ ・ それで町にもどったのが350人、震災前の人口の1割にすぎない     
   帰還まだ1割・・・・・・・ 帰還が遅れるなかで浮上するのが「仮の町」構想 ・ 周辺12町村から避難した2万3千人が暮らすいわき市 ・ 政府は自治体に帰還を急がせ、帰還や復興を競わせているが、帰れるのか帰れないのか住人にははっきりしていないのが現状   
       
■一方ドイツは原発ゼロ政策が急展開 :   
福島原発でデモが盛んに・ 福島第一原発1号機の水素爆発が起きた咲くね3月12日、ドイツのテレビ局は繰り返し煙が立ち上る原発の様子を伝えていた ・ 不安が急速に広まり、住民たちをデモへとかりたてた ・ 参加者は南部では6万人になったという         
   原発よりの首相が動く 「脱原発をただちに実現してほしい」という住民の切実な思いが、原発よりだったメルケル政権に転換をせまった ・ メルケル首相が「脱原発」を宣言したのはそれから3か月後のことであった    
草の根で世論づくり・・・・・・ ドイツの「脱原発」の扉を開けたのは、環境運動で知られる「緑の党」だった ・ 主要政党・社会民主党シュレーダー連立政権に参加したのを機に、同政権は00年、同政党は緑の党の主張を聞き入れ、国内にある原発を段階的に廃棄する方針を打ち出した        
   ドイツにも族議員・・・・ だが「固定価格買い取り制度」など新制度には、原発をもつ既存の大手電力会社が反発し、その意向を受けた族議員や関係庁も抵抗した ・ 効果の大きかったのはインターネットを使った「草の根運動」だった ・ 議会近くで5千人規模のデモや集会を開き議員たちを揺さぶって行った ・ 地域社会での働きかけが実を結び買い取り制度の導入にこぎつけた           
市民が新エネルギー生産 新エネルギーの生産活用には、大手電力会社が妨害した ・ 風力発電の施設をつくり電力事業に参入しようとしたドイツ北部の兼業農家アルバースさんは大手電力会社より買い取りを拒否された ・ そこで地元の裁判所に提訴し、結果勝訴した   
   環境運動が実を結ぶ・ ドイツの自然エネ発電は住民グループや小さな集落などによる事業が多いのが特徴だが、その生産能力の半分は農家や一般市民がになっている ・ こうした発電業者と草の根運動が結びつき、既得権益をつきくずして行った  
   住民が首相を動かす デモを続けた住民パワーが、保守系の巻き返しでメルケル政権が一時原発延命へとなびいたが、政権の「脱原発先送り」へ待ったをかけた ・ 民意を少しずつ政策に反映してきた政府の現実的な判断の積み重ねでもある     
              
■振興対策費の使われ方 :           
国主導の沖縄をモデル・・・ 原発の被災地のためにどうアレンジするか、放射性物質で汚染された地域の除染だけでなく、新たな産業振興を一体的に進めることのできる、福島特措法づくりにとりかかった ・ 復興特区法だけでは東北3県で福島が埋没してしまう ・ 沖縄振興法という総合的振興をしていくモデルをみつけ真似ることにした  
   始めたが売れ残ってる しかし、当の沖縄県はいまも、国のくびきから逃れられず苦しんでいる ・ 「アジアの玄関口を目指して99年、国内で初めて「貿易特区」に指定された ・ 進出した企業には所得税を大幅に軽減、賃貸工場も作った ・ だが93区画の9割が売れ残っている 
沖縄特区は挫折している・ 復興予算だけで10兆円が投入され、その9割は公共事業で道路や港などの基盤整備が行われ本土並みになった ・ だが実態は各省補助事業の縦割りで流されるだけ、工事受注するのは本土の大手企業だけ ・ 特区は沖縄を自立した経済へとされたのだが、挫折している    
   地方に金をがベター・ 沖縄の大学進学率は全国最低で、非正規社員も全体の4割にもなっている ・ 巨額資金は奨学金などに回して若者の進学率を高め、安定した仕事に就けるようにするのが先であるのに、お国の仕事で公共投資優先 ・ 福島振興策は地元が希望をもてるものなのか、沖縄の失敗から学ばないといけない    
                   
■リンク集 :          
福島復興計画・・・・・・・・・ 福島県の復興計画 ・ 福島の復興と再生(復興庁)  
福島復興支援金・・・・・・・・ 寄付金や義捐金は復興支援には使われません   
自民党の原発族議員・・・・ 自民党の原発族議員  
原発関連デモ・・・・・・・・・・ 原発関連デモ開催情報まとめ