原発についての各党の政策点検 
                ( 朝日新聞12月6日〜8日より )

  .
原発は是か非か  
選挙に向けて各政党
原発は本当に割安?
ゼロでは本当に電力不足?
自然エネルギーは広がるか
 . 電力会社の抵抗
電力業界支援自民党
宙に浮く核燃再処理
 . 自民党:脱原発慎重
民主党:脱原発検討
日本維新の会:???
     特集記事のバックナンバー:       掲示板 (チョット関連の話題ありませんか) 


  脱原発は是か非か    (朝日新聞12月6日より)  
■原発は火力発電より割安なの?? :   
電力各社が値上げ申請・・ 11月末、関西電力と九州電力は家庭向け電気料金の値上げを申請した ・ 9月に値上げした東京電力に続く動きで、四国電力や東北電力もこれらに続く予定だ
原発事故により神話崩壊・ 原発は火力発電より安いと言われてきた・しかし原発事故でその神話は崩れつつある ・ 原発により下記の費用が発生している ・ 原発のコストに下記のものが含まれてなければならない
   事故による東電出費・ 事故で帰宅できない人の不動産価格を東電は支払うことを決めた ・ 東電は賠償額や除染額で10兆円にも上ると発表した ・ 政府に支援を求めている ・ 税金から負担することになろう   
   原発自治体に交付金 原発のある自治体に年間約3000億円が支払われている ・ これはひと家庭当たり月額約110円の徴収となっている          
   再処理費用も莫大・・ 政府は六ヶ所村「核燃料サイクル」を進めてきた ・ 六ヶ所村再処理工場の建設費は計画の3.2倍2.2兆円に膨らみ、いまだ完成していない ・ たとえ完成したとしても再処理でできるプルトニウムを使うプルサーマルなどの原発が出来なければ、その建設費、処理費は全くの無駄になる     
   原子力開発機構費用 日本原子力開発機構へ出資 年7922億円      
       
■ゼロだと本当に電力不足? :      
原発なくても大丈夫・・・・・ この冬北海道電力によると、来年2月ピーク時に電力が5.8%余ると言っている ・ 政府の電力検証委員会の試算では、すべての原発を再稼働させなくても5.4%ほど余る     
   節電も根付いている・ 今年夏も原発15基分の節電ができた ・ 火力発電の増加に加え、節電意識が根付き、原発に頼らなくても電力が足りる社会になりつつある     
       
■自然エネルギーは広がるか? :   
太陽光発電始まっている・ 政府が固定価格買い取り制度を始めたのに合わせ、群馬県の榛東村にある「メガソーラー」はこの7月から発電を始めた ・ 740世帯を賄える2400キロワットの能力 ・ パネルはソフトバンクのグループのSBエナジーが8億円をかけて製作、約10年で回収できるとしている (太陽光発電による電気は1キロワット時当たり42円で東京電力に売れる)        
   農協、自治体も・・・・・ SBエナジーの年間発電量は268万キロワット時を計画しているが、農協や自治体も次々参入の見込みであり、今は国内で1105万キロワット時に増えた
自民の公約に入った・・・・・ 民主党は2030年に1億800万キロワット時まで増やす計画を掲げる ・ 自民党は固定価格買い取り制度の拡充を公約に盛り込む    
               
■発送電分離・電力会社抵抗 :            
経産省・連合会は前向き・ 自然エネルギーの普及には発送電の分離が必要とされる ・ 経産省、電気事業連合会も協力すると前向きだ ・ だがここにきて電力会社の抵抗が強まっている
   電力業界支援自民党 電力業界に支援を受けてきた自民党に政権が代わるのを見こし、電力会社も発送電分離には抵抗する発言が増えてきている ・ 経産省は電力の自由化について年内に計画をまとめる予定であるが、自民党の攻勢でその行方は分からなくなってきた  
              
■宙に浮く核燃再処理 :           
これまでの核燃廃棄の方針 脱原発に向けて最大の課題は、原発の使用済み核燃料の扱いである ・ これまでの政府の方針だと、埋めるのは使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出しそれを再び原子炉で使う ・ その時に出る高濃度の核燃廃棄物をガラス固化体にして放射能が弱くなるまでの10万年保管しようとのものである  
   処分地が描けない・・・ この核燃サイクルをしない場合には、原発使用済み燃料をそのまま地中に埋めることになるが、その処分地探しの目途も立っていない ・ 今回の衆院選挙では殆どの政党が脱原発を掲げたが、具体的な工程表を描けていない 
   プルトニウム扱いも?・ 核兵器の原料にもなるプルトニウムの扱いもやっかい ・ 日本にプルトニウム6.3t保管されているが、原発停止で燃やすあてがなくなった ・ プルサーマル発電所の建設が頼みであった ・ 脱原発に向けてはこのプルトニウムの処理をどうするのかだが、議論できていない    
       
  
   各政党の選挙に向けての意見    (朝日新聞12月6日より 
                   
自民党(安倍) :          
   脱原発に慎重・・・・・・ ことば遊びをすべきではない ・ 最先端の技術を開発するには5〜6年かかるので、今結論を出すのは無責任だ  
   電力体制変化に慎重 電力が余っているときに発送電の分離はよいが、足りない時にどうやって競争をするのか?        
   核燃サイクルへ姿勢・ 言及なし 
                
民主党(野田) :              
   2030年までにゼロを・ 10年間立ち止まって考えるだけで、再生エネルギー普及に取り組めるだろうか          
   発送電分離検討・・・・ 発送電分離と市場の自由化検討            
   核燃最終処分地・・・・ 青森県を核燃の最終処分地にはしない ・ 核燃の考え方を整理する            
   
日本維新の会(石原) :
   原発やめたら地球?・ 太陽光なんかで日本の産業は賄えない ・ 原発なくす考えでは地球はもたない    
   発送電分離調整・・・・ 発送電分離などの電力市場の出口戦略や、市場メカニズムによる電力需給調整をする  
   核燃を総合規制する・ 使用済み燃料の総合規制をする ・ 乾式中間貯蔵